2013 Fiscal Year Research-status Report
情報流と物流の相互作用に着目した数理モデルによるサプライチェーンの最適構造分析
Project/Area Number |
25870741
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Takachiho University |
Principal Investigator |
河合 亜矢子 高千穂大学, 経営学部, 助教 (00580432)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サプライチェーン・マネジメント / 生産計画と統制のシステム / 企業間恊働 / 情報連携 / 構造最適化 / 数理分析 |
Research Abstract |
本研究ではサプライチェーン・マネジメントにおける生産計画と統制のための情報システムを企業間で効果的に統合するための原理を明らかにするものです。スループットを満たしながら、安定稼働を実現するサプライチェーンの最適構造を解明することを目的としています。さらに、本研究の大きな特徴として、この最適構造を維持するための企業間での情報システムの恊働・調整方法を明らかにします。 平成25年度の研究計画は、(1)計画と実績の乖離がチェーンの振る舞いと将来の計画に与える相互的な影響を分析するための数理モデルの構築、(2)サプライチェーン最適構造の算出、というものです。(1)では、サプライチェーン・マネジメントに情報システムを導入するリスクを統制機能の側面から証明し、システム導入の効果を十分に得るためには、チェーン全体の恊働と調整が必要であることを示し、(2)では、サプライチェーン・マネジメントにおいて情報システム導入の効果を十分に得るためには、どのように在庫を配置して、どの程度の計画更新頻度で計画精度をコントロールしながら全体を運営すれば適切か、という具体的なチェーン設計のための解を得ることを目的としています。現在、(1)数理モデルの構築に向けて先行文献の調査と定式化の様々な可能性について研究を進めているところで、いくつかの構想はあるものの、決定的な数理モデルの構築には至っていません。 平成25年度の主な実績は、決定的な数理モデルの構築には至っていないものの、定式化についての大まかな道筋を得た事、サプライチェーンの情報連携のひとつの形として、e-マーケットプレイスに関する論文を投稿し、採択されたことです。さらに、企業間での情報共有のあり方をゲームによってシミュレーションするための、サプライチェーン・ゲームのソフトウェア開発を行いました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究での数理分析のモデルを応用するため、先行文献の調査に非常に多くの労力を割くことになりました。 産休明けの仕事復帰ということで、当初想定していたよりも校務に手をとられ、思うように研究がはかどらなかったという事情もありました。
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究の調査をもう少し続けたいという思いもありますが、現在得ている定式化へのいくつかの構想で、数理モデルの構築を精力的に進めて行きます。数理モデルの構築さえ達成すれば、あとは、これを分析することによって最適構造解明への道筋がつきますので、何よりもまず、数理モデルの構築に的を絞って取り組みたいと思います。 本年度は校業の方も昨年度に比べて落ち着いており、研究活動に比較的多くの時間を割く事ができる見通しですので、昨年度の遅れを十分取り戻せると考えています。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、当初、研究成果発表のための旅費を科研費から支出する予定でしたが、公費から支出しました。また、研究の進捗に多少遅れが生じている関係で、論文の執筆、英文校正といった支出が生じなかったことで、計画よりも予算の消化が少なくなっている大きな理由です。 平成26年度に研究の遅れを取り戻し、論文執筆を行うことで、論文執筆と投稿、研究発表に関わる予算が必要になります。
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