2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25870755
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
辰巳 徳史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60514528)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 左右軸 / 先天性横隔膜ヘルニア |
Research Abstract |
本研究テーマである「横隔膜ヘルニアを引き起こす左右非対称発生の解析」を証明するために本年度は4つの実験を計画しており、それらの解析を行ってきた。 心外膜原基由来の細胞が横隔膜形成にどのように寄与するのかを明らかにすることを目的に[計画1]である「Wt1-GFPマウスを用いた心外膜原基由来細胞の移動、増殖パターンの解析」を行う事にしていたが、Wt1マウスの導入元であるThe Jackson Laboratoryでの供給に問題があり、年度終わりにWt1マウスが到着したため、当初の予定より解析が遅れた。現在マウスの確認を行っている最中で、例数は少ないがEGFP蛍光が横隔膜領域で認められ、またその局在領域が横隔膜ヘルニア高発部位と一致していることが明らかとなった。そのことから、このマウスを使用して本研究を遂行することが可能である可能性が示唆されている。左右軸遺伝子と横隔膜ヘルニアが関連するのかを明らかにする[計画2]である「ニワトリ胚を用いて左右軸を乱し、心外膜原基の形成・発生を観察」では、左右軸を乱し、心臓の逆位が見られている表現型が得られている。現在、このニワトリ胚の心外膜原基由来の細胞が左右軸の乱れによりどのように変化したかをin situ hybridizationして観察を行っている。[計画3]である「nitrofenCDHモデルマウスの作成し、発生初期に左右軸が乱れるか解析」は少数ではあるがnitrofenによって横隔膜ヘルニア(CDH)が発症するものが得られており、[計画4]である「Wt1-GFPマウスのCDHモデルを作成し正常固体と比較解析」は[計画3]の条件を元に作成準備にかかっている。全体的に、計画通り進んでおり、26年度の計画も実行できそうである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
使用するマウスが購入元の原因で入手までに時間がかかった結果、当初の計画より少しペースが遅いが、そのマウスの解析により非常に重要かつ有用な結果が得られている。この結果は先天性横隔膜ヘルニアの発症メカニズムを明らかにするのに重要になるため、今後このマウスをさらに解析することで、本研究計画の目標は達成可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画として【計画5】「左右軸の乱れにより心外膜原基に影響を与えるシグナルの同定 」、【計画6】「シグナルを薬剤などで阻害し、CDHが引き起こされることを証明」の2点があるが、【計画5】が実行されることで、【計画6】の候補が明らかになることから、できるだけ早急に【計画5】を進める必要があると考えている。現在平成25年度の計画をさらに実施しデータを得ることを目標としており、それが完了後【計画5】を実施する予定でいる。また、当初【計画5】はマイクロアレイを用いて行う予定にしていたが、所属大学で次世代シークエンサーが導入されたことから、より感度の高いトランスクリプトーム解析法を用いてシグナルの同定を行おうと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入する予定にしていた物品の納入が本年度に手に入らなかったため。 計画通り必要な物品の購入費に充てる。
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Research Products
(1 results)