2015 Fiscal Year Research-status Report
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25870761
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
榊 建二郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70509968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小胞体品質管理 / RNA監査機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者は近年、RNA監査機構であるナンセンス変異依存mRNA分解(NMD)が小胞体におけるタンパク質品質管理(小胞体品質管理)において重要な役割を担うことを見出した。本研究課題では、このNMD-小胞体品質管理クロストークの分子機構の解明を目標に研究を展開している。ここまでNMD異常による小胞体ストレス発生を抑圧するサプレッサー遺伝子の同定など制御遺伝子の同定を進めてきていたが、平成27年度の研究においてクロストーク機構における中心因子を目している遺伝子が、線虫の変異体株ごとで表現型が異なることを、予測外の結果として見出した。そこで新たに数種類の遺伝子変異株を作成した上で比較検討を行った結果、この遺伝子の翻訳産物と小胞体機能制御との具体的な接点が分かってきた。これは当該遺伝子について、過去の報告では全く知られていない新たな機能を示すと共に、クロストーク機構の解明に繋がる重要なポイントとして鋭意研究を進めている。 また近年、NMDが小胞体ストレス応答(UPR)制御遺伝子の転写産物の安定性を制御することが報告され、明らかになりつつあるが、平成27年度の研究においては線虫C.elegansを用いた解析から過去に報告されていない新たな標的遺伝子を見出している。既に哺乳動物細胞での検証を進めており、クロストーク機構の生理的役割を説明する重要な知見として得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に若干の遅れは見られるものの、NMD-小胞体品質管理クロストークの中心因子について極めて重要な知見を得ることが出来たことで、クロストーク機構の全容解明に向けた見通しが大きく開けた意義は極めて大きい。また、新規NMD標的遺伝子を見出すなど生理的役割を今後明らかにする上で重要な知見を得ることもできている。平成28年度においては、これらの知見を総括して研究成果を発表すると共に、クロストーク機構の全容解明に向けた新たな展開に踏み出すことが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までにNMD-小胞体品質管理クロストークにおける中心因子と小胞体機能との接点について、線虫C.elegansを用いた解析については概ね完了しつつあり、また哺乳動物細胞を用いた普遍性についての解析も進めている。本年度についてはこの部分を完遂した上で論文報告を行う。また、UPR制御に関わる新規NMD標的遺伝子については哺乳動物細胞での検証も進んでおり、これも完遂させた上で論文報告を行う。更にこれらの研究成果に対する、サプレッサー遺伝子などのクロストーク制御遺伝子の候補群との関係性を明らかにすべく研究を展開する。
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Causes of Carryover |
【研究実績の概要】の欄にも記した通り、NMD-小胞体品質管理クロストークの中心因子についての予想外の解析結果が得られ、今後のクロストーク機構の解明に重要なポイントと考えたため優先的に解析を行った結果として、当初予定していた実験を後回しにすることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該因子と小胞体との接点が明らかとなりつつあり、この部分について哺乳動物細胞での検証を含めて明らかにする。また現時点までに得られているクロストーク制御遺伝子の候補群との関係性についても検討を行い、クロストーク機構の解明を目指す。以上の目的のために繰り越し額を充当する。
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