2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25870763
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
五十嵐 洋 東京電機大学, 工学部, 准教授 (20408652)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人間機械系 / 熟達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,技術伝承に向けた機械操作の熟達支援技術に関する研究を行った.初心者が機械操作技術を修得するためには,人間の脳内のイメージ(内部モデル)を操作対象の動特性に近づけることが重要であるとの脳科学知見がある.そこで,操作者のイメージに近づけるように機械を変化させることができれば,機械操作熟達を促進することが期待できる.しかし,機械操作中の操作対象の特性変化は操作者に違和感や暴走している感覚を与えることから,人間に気づかれない範囲でサブリミナルに動特性を変化させることで,操作熟達に有効であることを確認した.本成果を論文にまとめ公表した. また,技術伝承を想定した複数の人間がかかわる作業では,他者の意図を考慮した挙動が含まれることが示唆された.そこで,複数人が協力して作業を行う際の他者の影響を他者配慮指標(Concern for others)として定量的に計測する手法を提唱した.この他者配慮指標が協力作業に与える影響を実験的に解析し,互いの配慮が大きすぎる,または小さすぎる場合にはそれぞれ協調作業に悪影響をおよぼす可能性が解析により明らかとなった.この知見により,技術伝承において他者配慮指標を考慮したトレーニングの有効性が示唆された. また,機械操作系におけるフォースフィードバック(力覚提示)についても同時に検討を進めている.フォースフィードバックデバイスを開発し,これを用いた操作熟達支援に向けて引き続き研究を進めている.今後,本研究課題で明らかとなった,機械動特性変化に対する感度および他者配慮の影響を,力情報として操作者へ与えることによる熟達効果の促進を目指す.
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