2015 Fiscal Year Annual Research Report
イネの乾物生産に関与する量的形質遺伝子座の生理学的解析
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25870780
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
廣津 直樹 東洋大学, 生命科学部, 准教授 (40584389)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 量的形質遺伝子座 / 成長解析 / 窒素吸収 / ショ糖リン酸合成酵素 / 初期生育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、コシヒカリ/カサラス染色体置換断片系統 (CSSL) を用いて、生育初期の乾物生産速度を制御する量的遺伝子形質座 (QTL) 解析の検出を行い、その結果、カサラス型で生育初期の乾物生産を増加させるQTL (それぞれqEGR1、qEGR6、qEGR8、qEGR12) を特定した。 qEGR1近傍をKasalath型に置換した染色体断片置換系統SL203のOsSPS1遺伝子発現量は、コシヒカリよりも有意に増加していた。また成長解析の結果、SL203の相対成長速度(RGR)はコシヒカリに比べて有意に大きいことが確認された。このRGRの増加は、要面積比(LAR)の増加によるものではなく、純同化率(NAR)が増加することによることを明らかにした。 qEGR6、qEGR8、qEGR12近傍をKasalath型に置換した染色体断片置換系統SL218、SL223、SL238の初期生育期間における窒素吸収量を比較した結果、これらの系統はコシヒカリに対してそれぞれ1.37、1.52、1.41倍高いアンモニウムイオン吸収速度を示した。実際に、水耕栽培下でのアンモニウムイオンの吸収速度を測定した結果、これら3系統すべてでコシヒカリよりも有意に増加していた。qEGR6、qEGR8、qEGR12は根におけるアンモニウムイオンの吸収速度を増加させることにより初期生育速度を向上させていると考えられた。 さらに特定した4つのQTLがイネの収量およびバイオマス生産に与える影響を明らかにするために、圃場栽培を行った。収穫期における各器官のバイオマスを比較したところ、SL203、SL218、SL223、SL238はコシヒカリと比べて葉身・葉鞘・穂などの乾物が増加していた。これらのことから、初期の乾物生産速度の増加は、その後のバイオマス生産性に大きく影響することを確認した。
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Research Products
(2 results)