2013 Fiscal Year Research-status Report
強酸耐性植物根圏の共生微生物でイネを守る ~ その強さの秘密を解き明かせ
Project/Area Number |
25870789
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
相澤 朋子 日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (60398849)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 酸性土壌 / アルミニウム / 多糖 |
Research Abstract |
アルミニウム等の金属イオン耐性、低pH 耐性、不溶性リン酸塩可溶化、バイオフィルム形成に関与する新規ASS 適応機構を見出すために、今年度は、1.トランスポゾン導入変異株を用いた各種培養条件でのASS 適応遺伝子破壊株の選抜を行った。次に、アルミニウム共存下、非共存下など各培養条件での網羅的タンパク質解析を行う予定であったが、実験機器の都合上次年度に予定していた2.多糖など金属イオン吸着物質の機能と構造解析を前倒しで実施した。 1. トランスポゾン導入変異株を用いたASS 適応遺伝子群の探索 トランスポソン(EZ-Tn5)を用いてランダム遺伝子ノックアウトライブラリーとして2000 以上株の変異株を取得してある。野生株で示されたアルミニウムなどの金属イオン耐性、低pH 耐性、リン酸可溶化能などの形質を失う変異株、または形質が強化される変異株などを培地での生育を指標に、24 ウェルや96 ウェルマイクロプレートを用いた培養法で多検体スクリーニングを行った。その結果、200株以上の野生株と生育の異なる変異株を選抜した。現在は、選抜した変異株のトランスポゾン導入部位を決定し、ASS 適応関連遺伝子群の候補を選抜している。 2. 多糖など金属イオン吸着物質の機能と構造解析 本年度はまずCA42 株の細胞外多糖を用い、ASS で問題となるその他の金属イオン(鉄、マンガン、ニッケル、カドミウム、銅、亜鉛やその他陽イオン)と細胞外多糖を反応させ、その後ICP 発光分析装置を用いてこれら金属イオンの吸着性について検討した。その結果、CA42 株の細胞外多糖は特にアルミニウムを吸着し、最大で0.17 μmol/mgの吸着を示し、その他の酸性硫酸塩土壌で問題になる金属(銅、鉄、ニッケル、亜鉛、マンガン)についても吸着が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トランスポゾン導入変異株の変異部位同定方法として、既報の方法を試みたが、効率が悪いため、現在別の方法を試みている。 また、プロテオーム解析については、分析機器(LC/MS/MS)の都合上、分析が遅れている。これについては次年度以降に分析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスポゾン導入変異株の変異部位同定方法を変更し、これまでに選抜した変異株の遺伝子変異部位の特徴を明らかにする。 また、プロテオーム解析については、分析機器(LC/MS/MS)の都合上、分析が遅れているたが、次年度以降に分析する予定である。 また、多糖など金属イオン吸着物質の機能と構造解析については、AL46株についても進める予定である。
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