2014 Fiscal Year Research-status Report
内陸部農村の「出移民」と「不動性」に見る現代中国のジェンダー秩序
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25870815
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大橋 史恵 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 助教 (10570971)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国 / ジェンダー / 移住女性 / 出移民 / 不動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は中国内陸部農村における「出移民」(emigration)と「不動性」(immobility)のジェンダー関係に関連して、現地フィールドワークを1度実施したほか、中国および日本国内での資料収集を行った。 8月下旬から9月上旬には約2週間をかけ、中国山西省太原市周辺農村および北京市を訪問した。山西省では、2013年度の調査結果を受け、太原市近郊のなかでも村落を限定した聞き取りにつとめた。女性が村を出ており夫は残っている「妻移動-夫不動」世帯、夫のみが村を出ており妻は残っている「夫移動-妻不動」世帯、夫婦ともに村を出ており他の家族成員が残っている「夫婦移動」世帯、夫婦ともに出稼ぎをしていない「夫婦不動」世帯といったさまざまなバリエーションのカテゴリーを想定し、聞き取りを行うことができた(ただし、時間的な制約のため、すべてのカテゴリーについて均等な人数の聞き取りを実施できたわけではない)。そのほか、この地域で小学校教員をしていた調査協力者から、地域の社会経済状況について詳しい聞き取りを行った。北京市では国家図書館で資料収集を行ったほか、農村女性の状況について詳しいNGO活動家と意見交換を行った。 9月以降は日本国内で資料収集を継続して行ったほか、これまでに得られたデータの分析に力を入れた。 当初の予定では3月にも現地フィールドワークを実施し、補足的な聞き取りを行うことを想定していたが、日本での職務の都合上、実現できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度の課題をふまえ、対象村落を限定しての密度の濃いフィールドワークを行うことができた。ただし当初2回を予定していた現地調査は1回しか遂行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者自身の勤務環境の変化により、国外での中長期的なフィールドワークの実現が難しくなっている。ただし過去2年間に実施した聞き取り調査の記録を有効活用するとともに、資料収集によって情報の不足を補っていきたい。
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Research Products
(3 results)