2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25870821
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
高橋 啓 統計数理研究所, その他部局等, 助教 (70595280)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 広告競争 / リアル・オプション / 微分ゲーム |
Research Abstract |
本研究では,広告効果の不確実性が広告戦略へ与える影響を測定するために,1)広告効果の不確実性を考慮した広告競争モデルを構築し,2)企業の広告戦略に広告効果の不確実性がどのような影響を与えるのかについてモデル,実データから検証を行う.具体的な目的は次の4点である. (1) 広告効果の不確実性を考慮した閉ループの最適広告戦略を導出【理論】 (2) 実際の広告戦略,開ループ戦略との比較【理論,実証】 (3) 広告効果の不確実性の大きさの推定【実証】 (4) 広告における心理的効果の広告競争モデルへの導入の検討【理論,実証】 このうち,本年度は,広告競争のモデリングとして,(1)に相当する,広告効果の不確実性を考慮した広告競争をビダル・ウォルフ型の微分ゲームとして定式化した.そして,各企業がとるべき広告戦略(各期の広告投入量(額)をどうすべきか)を具体的に明らかにした.この過程で,ビダル・ウォルフ型の微分ゲームにおいて,不確実性を考慮する方法についてモデルの構造上大きな制約があり,これを素直に満たすようなモデルは,Prasad and Sethi(2004) のモデルにほぼ等しいことが分かった.また,このモデルにおいて具体的に各企業の広告競争を考慮した価値を求める上で必要となる手法として,オプション・プライシングにおける有限要素法の改良等についても研究を行なった.これらの成果は今後順次学会等で発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これは,研究実績の概要に述べたように,ビダル・ウォルフ型の微分ゲームにおいて,不確実性を考慮する方法についてモデルの構造上大きな制約があり,これを素直に満たすようなモデルは,Prasad and Sethi(2004) のモデルにほぼ等しいことが分かったためである.言い換えると,素直にモデルにおいて不確実性を考慮することができないことが分かったためである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,Prasad and Sethi(2004) の拡張モデルにおいて早急に企業価値を求め,学会発表を行なう.同時並行的に,実証分析についても開始する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該研究者の職場移動に伴い,仕事内容の若干の変更,研究環境の変化が生じ,データ解析用のパソコンについての購入が必要なくなったため. 今年度予定している,海外出張に補填する予定.
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Research Products
(5 results)