2013 Fiscal Year Research-status Report
最適化理論から迫る連想記憶モデルのメカニズム解明と容量限界への挑戦
Project/Area Number |
25870839
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
増田 和明 神奈川大学, 工学部, 助教 (30409924)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 新たな知見の獲得 / 最適化計算技術の開発 |
Research Abstract |
初年度は,リカレント型人工ニューラルネットワークモデルとしてモデル化される連想記憶モデルの記憶容量を高める手段を検討した。ここで言う「手段」とは,制約条件付き最適化問題として定式化される「ネットワークパラメータ決定問題」に対して,その解を高い精度でかつ高い効率で求めるための最適化技術を開発することである。この手段を確実なものとすれば,その後の検討を進めるための強力なツールが得られ,研究を強力に推進することができる。 本課題で解くべき制約条件付き最適化問題は,制約関数が数式によって陽に記述されるという利点がある。一方において,決定変数は離散のものと連続のものがある。すなわち,「混合変数非線形計画問題」と定式化され,容易には解くことができない。しかしながら,実用的な解法として,制約に違反する解は利用できないことから,これを改善することを重視して探索を実行可能集合内に集中させ,実質的に無制約化することによって目的関数を効果的に改善する計算手法を開発することに成功した。この手法は,学術誌(電気学会電子・情報・システム部門誌[論文誌C])に掲載される予定である。これによって,本研究の主たる課題に立ち向かうための準備が整備されてきた。 その他,本研究への適用が期待される,他の最適化計算手法,機械学習手法などの開発・検討も並行して実施した。 今後は,上記の計算手法(ツール)を用いて連想記憶モデルに対するパラメータ決定問題の求解に取り組み,その最適解の性質を調べることを通して,対象としている連想記憶モデルの記憶容量の見積もりと拡大に挑む。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間で完成する課題の初年度において,研究全体に関わる計算ツールの開発に成功し,残りの期間で利用できる見通しが立ちつつある。計算ツール開発に専念したことによって,一部は当初の研究計画と比べて実施順序が入れ替わっているが,むしろ今後の研究を推進するための基盤が早期に整備されたことによって,予定よりやや早いペースで進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って,予定した順序で研究を遂行する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は,3年間で完成する研究の基礎となる計算手法(ツール)の作成に焦点を当てた。そのため,研究の実施順序が一部前後することとなり,これまでに必要となった費用が予定を下回った。しかしながら,研究順序が入れ替わっただけであり,全体として必要な費用に変わりはなく,むしろ次年度以降で研究の中心となるべき課題に取り組むために支出が増大することが見込まれる。ここに,本年度未使用分を充当する予定である。 2014年度は,研究の中心課題として,これまでに開発した計算手法(ツール)を利用した実験,解析を実施する。並行して,ツールの改良や適用手段の開発も必要になる。これに必要な物品費,ならびに成果発表費用(論文掲載料,旅費,学会参加費等)へ重点的に振り分けて使用する予定である。
|
Research Products
(4 results)