2015 Fiscal Year Annual Research Report
来院時心肺停止死亡例の死因究明における死後画像検索の有用性検討
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25870845
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 晶人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (50459179)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 死後画像 / 心肺停止 |
Outline of Annual Research Achievements |
昭和大学藤が丘病院では継続して心肺停止患者への死後画像撮影を行い、川崎市立多摩病院では一昨年度に死後画像撮影のプロトコールを作成し、検討・修正を行った。充分な情報を得られるよう撮影することが個々の症例でのばらつきを減らし、より正確な死因推定が行える。オートプシー・イメージング学会におけるAi認定施設を継続し、自施設内で死亡した症例以外に自施設外で死亡が確認された遺体の画像撮影に当病院内の機器の使用を拡げたが、自施設外の遺体の画像撮影は1例も要請がなく、施行されなかった。死後画像撮影を積極的に行うよう院内で働きかけ、さらに遺族への説明用のパンフレットを作成した。これらによって死後画像撮影症例は増加した。死後画像撮影は3次救急病院では主に死因推定のために施行され、2次救急病院では主に治療効果判定を目的に施行されていた。 死後CTの死因確定率は30%前後とされており、その中でも死因が特定できたことで遺族の理解が得られた症例や、治療の経緯・病状の進行について遺族が理解された症例を経験した。正確な死因究明には解剖率の向上が必須であるが、手軽な死後画像撮影により死因が特定できれば解剖率の低さから懸念される犯罪の見落としや死因統計の不正確さを少しでも是正できるのではないかと思う。平成27年10月1日から施行された医療事故調査制度の中で死後画像撮影は重要視されており、死後画像撮影は今後死因究明において重要となり必須な検査になるであろう。 今回の研究で、死後MRIは行うことができなかった。死後CTと比較すると撮影時間が長いことが遺族の了承を得られなかった理由である。死後CTで診断困難な点を補うために、死後CTで死因特定できなかった際に特定の部位のみ死後MRIを行うことで時間の短縮を図り、さらには近年注目されている採血による死因究明の補助も活用して、より正確な死因究明を行っていく予定である。
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