2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the new therapeutic approach targeting IL-13Ralpha2 in pancreatic ductal adenocarcinoma.
Project/Area Number |
25870846
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤澤 聡郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50627346)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | IL-13Ralpha2 / 膵臓癌 / 浸潤 / 転移 / 生命予後 / ポリフェノール / HAT阻害薬 / Epigallocatechin gallate |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-13Ralpha2は癌細胞で特異的に発現しており、膵臓癌においても約70%の癌で高発現している。癌における詳しいIL-13Ralpha2の働きはまだ未知であるが、我々は膵臓癌モデルマウスを用いてIL-13Ralpha2がmatrix metalloproteinase等の因子を活性化することにより、膵臓癌の浸潤、転移を促進していることを報告した。 先ず本研究では、ヒト膵臓癌の切除検体を用いてIL-13Ralpha2の発現と生命予後、浸潤転移形式との関係を検討した。国内2施設の膵臓癌切除標本、計236検体におけるIL-13Ralpha2の発現を評価したところ、IL-13Ralpha2の高発現群で生命予後の短縮が見られた。またIL-13Ralpha2の発現と腫瘍の神経浸潤との関連が認められ、IL-13Ralpha2が神経浸潤を促進している可能性が示唆された。本研究の結果は現在、科学雑誌に投稿中である。本研究で膵臓癌の進展におけるIL-13Ralpha2の重要性が確認できたため、現在前癌病変を用いたIL-13Ralpha2の発現の変化や組織型による発現の違いを検討している。 以前我々はHDAC阻害薬がIL-13Ralpha2の発現を亢進することを報告した。食品に多く含まれるポリフェノールはHAT阻害活性を示すことが知られている。緑茶Epigallocatechin gallate(EGCG), クミンcurcumin, 赤ワインresveratrolの3種類のポリフェノールにおけるIL-13Ralpha2抑制効果を検討したが、結果EGCGがもっとも強くIL-13Ralpha2抑制した。モデルマウスに対してEGCGを投与することにより宿主の生存期間を延長する傾向がみられた。しかしEGCG投与により体重減少等の副作用も同時に観察された。今後は副作用対策や臨床応用を試みる予定である。
|
Research Products
(2 results)