2013 Fiscal Year Research-status Report
体操競技選手における椎間板変性の新たな発生因子の探索
Project/Area Number |
25870847
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
小山 浩司 東京有明医療大学, 保健医療学部, 准教授 (70563469)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / 隅角解離 / 遺伝子多型 / 体操競技 |
Research Abstract |
本研究の目的は大学体操競技選手における椎間板変性に関して、脊椎の器質的変化のうち隅角解離(椎体辺縁分離)に着目し、椎間板変性の発生因子を解明することである。さらに、これまで得た結論を確認するため、体操競技選手に頻発する隅角解離とCOL11A1遺伝子多型の関連性を再検討することである。 本年度は大学体操競技選手76名のMRI撮像、アンケート調査、唾液採取およびDNAの抽出を行った。椎間板変性と隅角解離の関連性については、MR画像を用いて専門医による評価後、解析を行ったところ研究計画当初の仮説のとおり、多くの隅角解離所見が椎間板変性に隣接した椎体で発生していることを確認した。その後の詳細な解析の結果、椎間板変性と隣接する隅角解離は有意に関連していた。さらに我々は腰椎椎間板を上位腰椎椎間板(L1/2-L3/4)と下位腰椎椎間板(L4/5-L5/S1)に分類し、それぞれ隅角解離との関連性を検討したところ、上位、下位ともに有意な関連性を認めた。特に本研究では上位椎間板変性と隅角解離の強い関連性が確認された。体操競技選手は他の競技スポーツ選手に比べ、上位椎間板変性の発生割合が高いことが報告されていることから、その要因として隣接椎体に発生する隅角解離の影響が大きいのではないかと考えている。以上の結果から隣接椎体に発生する隅角解離は椎間板変性の促進に関与していると結論した。このことは体操競技選手の椎間板変性の発生因子の解明に一歩近づいたと考えている。また体操競技選手に頻発する隅角解離とCOL11A1遺伝子多型の関連性については今後、順次解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は大学体操競技選手に発生する椎間板変性と隅角解離の関連性を明らかにすることを目的にしており、仮説検証のために妥当なデータを得ることができた。これらの内容は海外の学術専門誌(Orthopaedic Journal of Sports Medicine)に投稿し、掲載されたことから一定の評価を得られているものと考えている。しかしながら当初予定していた一般健常人(コントロール)のデータ収集を行うことができなかった。その主な理由として予定していた一般健常人の所属先との連携がうまくいかず、実験協力の日程調整が難しかったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定どおり、本年度と同様の方法で新規の体操競技選手を適宜調査し、椎間板変性と隅角解離の関連性の更なる検討とCOL11A1遺伝子多型と隅角解離の関連性を解析していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おおむね順調に進展しているが、被験者謝金に一部残額が生じたため。 平成26年度は計画どおり新規対象者の測定を予定しており、被験者謝金の一部に使用する予定である。またDNA採取キットの購入及び国際学会での成果報告のため旅費に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)