2013 Fiscal Year Research-status Report
自由空間型手術ナビの開発 -低周波磁気信号を利用した高精度位置観測システム-
Project/Area Number |
25870850
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 大介 金沢工業大学, 先端電子技術応用研究所, 講師 (60569888)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 手術ナビゲーション / フラックスゲート磁束計 |
Research Abstract |
本研究では「自由空間型手術ナビ」の開発に向けて、低周波磁場計測を利用した位置観測技術の確立を行う。本年度は低周波磁気マーカー、フラックスゲート磁束計アレイ、リアルタイム位置推定プログラム等の要素技術と、これらを組み合わせた試作システムの開発を行った。 磁気マーカーの設計のため、手術器具が発する磁気のノイズ計測を行った。想定している約100 Hz 程度の周波数帯域を利用する見通しを立てることができ、実際の手術ナビゲーションシステムを設計するにあたり、有用な情報を得ることができた。また、従来問題と従来問題となっていた金属内に流れる渦電流に関するシミュレーションを行い、本研究で提案する手法の有効性を示すことができた。 フラックスゲート磁束計アレイについては、16チャンネル用駆動回路を製作した。申請前の予備研究で製作した1チャンネルのセンサ感度(30 pT/√Hz)には至らなかったが、磁気マーカーが発する信号を16チャンネル同時に検出できることを確認した。 リアルタイム位置推定プログラムについては、初年度としての目標通り、2回/秒での計算速度を達成できた。また、実験時の補助ソフトウェアとして、カメラを利用してセンサアレイや磁気マーカーの現実位置とシステム上の座標系を位置合わせするプログラムを開発した これらを組み合わせてシステムを試作し、2個の磁気マーカーを用いた評価実験を行った。本研究の目的である「金属の存在に左右されない位置計測」が実現可能であることを確認するため、磁気マーカー近くに金属製品を置いた場合と置かない場合で位置計測を行い、二つの結果の位置ずれが1mm以内であることを確認した。これにより、本手法の実現可能性を検証する事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の欄でも記述した通り、おおむね研究計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に進展しているため、今後の当初の計画通り進める。前年度の試作・評価実験結果を踏まえ、2次試作システムを製作する予定である。 磁気マーカーについては、コイルの小型化と、発生させる磁気信号の最適化を行う。フラックスゲート磁束計アレイについては、より高精度の計測を実現するため、3次元的なセンサアレイを構成する。このとき、センサ数を16個から64個に増加する事を検討しており、更に、シミュレーションに基づいて最適な配置を決定する。また、センサヘッドに使用するコアについても新しい材料を検討し、センサ自体の高感度化を狙う。ソフトウェアについては、計算アルゴリズムを高速化し、少なくとも5つの磁気マーカーの位置を10 Hz の頻度で計算できるようにする。 これらを組み合わせ、「自由空間型手術ナビ」のための位置観測システムを構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に旅費について、研究打ち合わせや学会発表の回数が計画よりも少なかったため、次年度使用額が生じた。 使用計画として、フラックスゲート磁束計センサアレイの開発に使用する。当初計画にはなかった新しいセンサ用コア材料の検討を行う予定であり、その開発費用に充てる予定である。
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