2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞内ムスカリン受容体によるシナプス可塑性制御機構の解明と認知症との関連性
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25870852
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
益岡 尚由 金沢医科大学, 医学部, 講師 (80509307)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ムスカリンM1受容体 / 海馬 / シナプス伝達長期増強 |
Research Abstract |
申請者は細胞内小器官内に発現するムスカリンM1受容体が、海馬CA1領域のシナプス伝達長期増強の促進に関与していることを明らかにしている。細胞内M1受容体による海馬のシナプス伝達長期増強促進反応の分子機構ならびにその生理機能について明らかにするために、電気生理学的ならびに行動薬理学的実験を遂行した。その結果、本年度は以下のような結果を得ることができた。 1.Paired pulse ratioを用いた電気生理実験から、初期のシナプス伝達増強はプレシナプス上の細胞膜表面に存在するM1受容体によって、長期のシナプス伝達増強はポストシナプス側の細胞内M1受容体により引き起こされていることが判明した。 2.選択的に細胞表面のM1受容体を遮断する薬物と、細胞表面および細胞内のM1受容体を非選択的に遮断する薬物を用いて、Morris 水迷路および新奇物体探索課題を実施した。その結果、細胞表面ではなく細胞内M1受容体が記憶の制御に関与している可能性を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は電気生理実験システムの構築が遅れたことにより、シナプス伝達調節の分子機構解明に関する研究計画が遅れている。一方で、次年度計画していた行動薬理実験は、予定より早く実施し成果を上げることができた。したがって、全体としての達成度は「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年構築した実験系を用いて、(1)NMDA受容体の機能制御と(2)タンパク合成が、細胞内M1受容体によるLTP促進の作用機構において、どのように関与をしているか明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は実験システム構築の遅れにより、実験動物数および使用試薬量が当初見積もりより少なくなった。 次年度は、次年度実施予定の研究と合わせて、本年度予定していた研究の残りを実施する予定である。したがって、次年度は本年度繰り越し額および次年度使用予定額の全額を使用する計画である。なお、これらすべての研究計画を実行するために必要な時間を十分確保できることは確認済みである。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Novel contribution of cell surface and intracellular M1-muscarinic acetylcholine receptors to synaptic plasticity in hippocampus.2013
Author(s)
Anisuzzaman AS, Uwada J, Masuoka T, Yoshiki H, Nishio M, Ikegaya Y, Takahashi N, Matsuki N, Fujibayashi Y, Yonekura Y, Momiyama T, Muramatsu I.
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Journal Title
J Neurochem
Volume: 126(3)
Pages: 360-371
DOI
Peer Reviewed
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