2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25870859
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
吉本 好延 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60627371)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 転倒 / 地域差 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度は,全国の消防本部に研究協力を依頼し,各消防本部で収集・保存されている転倒情報を簡便・安価に収集可能な体制を確立した.平成26年度は,各消防本部の管轄している地域を人口規模別に分類し,大都市,地方都市,農村部など地域間で転倒状況に相違があるかどうかを明らかにした. 調査項目は,受傷者の性別,年齢,転倒の発生場所,発生時期(発生季節,発生月),転倒後の傷病程度の計6項目とした.本研究における転倒とは,「救急事故種別の一般負傷に分類された転倒・転落であり,急病,自損行為,労働中,運動競技中の転倒は除外する」と定義した.調査協力の得られた消防本部から収集した過去数年分(1~5年)の転倒搬送状況の記録をもとに,大都市,地方都市,農村部の地域間で転倒状況を比較した. 結果,転倒搬送件数は,男女共に高齢層ほど高く,全ての年齢層で男女差は少ない傾向を認めた.人口の多い大都市で生活する高齢層の女性は,農村部の女性より,転倒搬送件数が高値であった.転倒搬送割合の最も高い場所は,全ての性別・年齢層において住宅であり,住宅での転倒搬送割合は,全ての年齢層で男性より女性に高い傾向を認めた.転倒発生場所の地域差は認められなかった.転倒搬送割合の最も高い季節は冬季,最も低い季節は夏季であり,転倒搬送割合の最も高い月は12月であった.転倒発生時期の地域差は認めらなかった. 救急搬送を伴った転倒は,女性の高齢層において農村部より都市部で転倒搬送件数が多く発生していたことから,生活形態や住環境の相違が転倒状況に何らかの影響を与えている可能性があると考えられた.
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