2013 Fiscal Year Research-status Report
ニコチン代謝能の低下は喫煙関連歯周炎を増悪するか?:CYP2A6遺伝子多型の解析
Project/Area Number |
25870860
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
亀井 英彦 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50421243)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 喫煙関連歯周炎 / CYP2A6 / 遺伝子多型 / ニコチン代謝能 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、2年以上の喫煙歴を有する者のうち、中等度以上の歯周炎患者と歯周組織健常者を対象に、日本人の低ニコチン代謝に関連のあるCYP2A6遺伝子多型の解析を行うことで、喫煙者の歯周炎とニコチン代謝能との関連性を検討することである。 喫煙は歯周病の最も影響の強いリスク因子であり、タバコに含まれる有害物質の中でも、とりわけニコチンは免疫、微小循環系を介し、歯周病態に悪影響を与える。生体におけるニコチン代謝はCytochrome P450(CYP)2A6により制御されている。CYP2A6遺伝子多型は、ニコチン代謝能の低下を引き起こし、喫煙後、ニコチンを生体内に長く残留させることが明らかとなっている。しかし、喫煙者の歯周炎とCYP2A6遺伝子多型との関係は明らかでないことから、それらの関連性を調査することは、喫煙関連歯周炎の発症や進行メカニズムを検討する上で大変重要で、本研究課題は非常に意義深い。 平成25年度は、2年以上の喫煙歴を有する中等度以上の慢性歯周炎患者(53人)と、そのコントロールとして2年以上の喫煙歴を有する歯周組織健常者・歯肉炎患者・軽度慢性歯周炎患者(40人)より頬粘膜スワブを行い、その後、ゲノムDNAの抽出を行った。また、被験者らの臨床データ解析をおこない、歯周組織検査結果における部位率(4mm以上の歯周ポケット、7mm以上の歯周ポケット、プロービング時出血)や、平均(歯数、プロービングデプス、ブリンクマン指数、body mass index)を算出した。 平成26年度は、CYP2A6遺伝子の多型の中から、低ニコチン代謝型を示す遺伝子多型について、各被験者の遺伝子型を同定し、患者-対照者群間で遺伝子型頻度解析を行い、喫煙者における歯周炎とニコチン代謝能との関連性について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サンプリング済みの被験者の選定基準やマッチングについて、再検討をおこなった結果、追加サンプリングを行うこととなり、それに時間を要したことが、主な遅延理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度もサンプリングを続けるとともに、一部の被験者については、遺伝子型の同定を開始していく。その他、計画通りに、研究を遂行したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進捗が遅延しているため、平成25年度に使用する予定であった遺伝子型同定に用いる使用額を、そのまま平成26年度に持ち越したため。 平成25年度に使用する予定であった、遺伝子型同定に使用する費用を、そのまま平成26年度に使用する予定である。
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