2014 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝炎の食事療法の有効性とそのメカニズム
Project/Area Number |
25870865
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
玉田 葉月 金城学院大学, 生活環境学部, 助教 (70581403)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝炎 / 食事療法 / SHRSP5/Dmcr / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
高脂肪・高コレステロール(HFC)飼料の摂取により高度の線維症を伴う脂肪性肝炎(非アルコール性脂肪性肝炎:NASH)を発症するSHRSP5/Dmcrを用いて、脂質コントロールを主体とした食事介入の有効性について検討を行うことを目的とし、HFC飼料を継続的に投与した群(NASH群)と、一定期間HFC飼料を摂取させた後に飼料を普通(SP)飼料に置換した群(食事介入群)を比較した。 平成25年度に行った動物の飼育、サンプル採取、血液生化学検査、組織所見の評価に引き続き、平成26年度はさらに詳細な分析として、ウエスタンブロッティング法を用いたタンパク発現の分析、免疫染色法を用いた評価を行った。NASH群ではHFC飼料の継続的な摂取により、脂質代謝に関与する因子(DGAT、CPT、ACC)の発現が顕著に低下したが、食事介入群ではそれらがすべて正常化した。また、HFC飼料の摂取は肝線維化を誘導する因子(TGF-β1、α-SMA)の発現を著しく増加させたが、その後の食事介入はそれらを低下させた。NASH群の肝組織では多くのCD68陽性細胞が散在しており、重篤な線維化が観察されたが、食事介入群ではCD68陽性細胞の局在は線維化部分に限られた。 これらのことから、食事介入はすでに形成された肝線維化を明らかに改善するには至らなかったが、線維化誘導に関与するシグナル伝達は抑制されていることが明らかとなり、食事介入の有効性が示された。また、CD68陽性細胞は食事介入後も一部残留しており、更なる治療の必要性が示された。
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Research Products
(1 results)