2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本の地域別失業率を分析する計量モデルの構築とその応用
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25870867
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
増田 淳矢 中京大学, 経済学部, 准教授 (40549599)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 失業率 / 空間計量経済学 / VARモデル / パネルデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は失業率の地域間の相互依存関係に焦点を当てて分析を行っている。失業は市場経済の失敗と捉えるべき問題で有り、市場経済の負の側面である。発生の理由については様々ことが想定されるが本研究ではマクロショック(生産性ショック等)が失業率に影響を与えているかどうかの検証を行い、また、その影響はショックがあった地域だけではなく、隣接地域ににどの程度影響を与えているかもあわせて検証を行っている。研究成果としては以下のことが明らかになった。一点目として日本の労働環境では1980年代と比較して1990年代は賃金が硬直的で有り、その結果として失業率が高止まりしていたことが分かっている。1990年代はバブル崩壊後経済が長期的に低迷しており、このため賃金が伸縮的ならば下落するはずであった。しかし、賃金に硬直性があるため下落することがなく、そのため過剰労働が発生して失業率が高くなっていた(畔津・増田・山田(2014)より)。 二点目としては地域の失業率の相関は様々な要因が存在しており、地域の相関を決定づけるメカニズムについて観察することが出来なかった。いくつかの地域では失業率に地域的な相関関係が見られた。このことは失業に地域的な相互関係を見いだしうるものであったが、多くの地域では近接地域に同じ属性の人が住むことが多く、単にその地域に住んでいる労働者が似た属性で有り、失業メカニズムの相互関係と言うよりも特定の地域に特定の属性の人が集まりやすいことを示している(高級住宅街やスラム等の特定の地区に特定の属性の人が居住していることを示している)。このため、失業メカニズムの地域間の相関について統計的に有意に示すことが出来なかった。
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Research Products
(2 results)