2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25870870
|
Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
濱 満久 名古屋学院大学, 商学部, 准教授 (10440653)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 商店街 / 商業集積のメカニズム / 間接性 / 商店街活動 / 依存と競争 / 拡大均衡モード / 縮小均衡モード / 商業の外部性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は商業集積のマネジメントを構築するための「商業集積の維持・衰退メカニズム」を明らかにすることを目的とする。商業集積の中でも、特に自然発生型の集積である商店街を主な分析対象としている。 これまで商店街については、いかに活性化させるかという視点から分析されることが一般的であった。しかし、衰退のありようはそれぞれの集積ごとで一様ではないはずであるが、そのことが所与とされ考慮されることはなかった。そのため衰退のありようを捉えることなく活性化を考えてもその効果は限られることになる。したがって、まず理解されなくてはならないのは、いかにして衰退したのかという衰退のメカニズムである。本研究の意義・重要性は、これまで所与として一様に捉えられていた「衰退」が、なぜ・いかにして起こるのかについて着目した点にある。 本研究の目的遂行のために、まず商業集積が成立するメカニズムについての先行研究を収集し、それらを整理・分析した。また衰退の状態から活性化を実現した商店街や中心地へ視察・インタビュー調査を行った。 最終年度である平成26年度では、これまでの調査から得られたことをもとに、どのようにして商業集積をマネジメントするのかということについて考察した。そこから導き出されたことは、衰退のメカニズムは逆説を含んだ悪循環によって起こりうるということから、この循環を転回するための活性化のための施策も、そういった意味の連関で考える必要があるということである。したがって、何らかの政策的補助を実施するにしても、直接的な効果だけを見るのではなく、間接的にどのような効果が起こりうるか、という考慮をもつことが重要である。実はこのことは戦前の商店街の活動からも同様の現象を確認することができた。今後はいかにしてこの間接的効果のありようを、事前にできうる限り明確化するかが重要な理論的・実践的課題となろう。
|