2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳ニューロステロイドをターゲットとした新規アトピー性掻痒治療薬の創出
Project/Area Number |
25870894
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤井 正徳 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (40434667)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 痒み / 脳ニューロステロイド / アトピー性皮膚炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳ニューロステロイドをターゲットとした新規アトピー性掻痒治療薬を創出することである。前年度までの研究から、脳ニューロステロイドの一つであるアロプレグナノロンをアトピー性皮膚炎を発症したマウスに投与すると掻痒様行動が発現することを明らかにしている。今年度は以下のことを明らかにした。1)アロプレグナノロンの作用部位を明らかにするため、アロプレグナノロンを大槽内、髄腔内もしくは皮内投与し、掻痒様行動の発現の有無を調べたところ、大槽内投与でのみ、全身投与した場合と同様の掻痒様行動がみられたことから、アロプレグナノロンの作用部位は脳であることが明らかとなった。2)検出感度等の問題から、ガスクロマトグラフィーマススペクトロメトリーから酵素免疫定量法に変更し脳内アロプレグナノロン量を測定した。正常マウスとアトピー性皮膚炎を発症したマウス(アトピーマウス)との間で、脳内アロプレグナノロン量に大きな差は認められなかった。一方、アトピーマウスにエタノールを経口投与した場合(掻痒様行動が顕著に増加する)、脳内アロプレグナノロン量が増加することを明らかにした。アロプレグナノロン産生酵素阻害薬であるfinersterideの投与により掻痒様行動が有意に抑制される(前年度実績)ことを併せて考察すると、アトピー病態において、内因性のアロプレグナノロンが掻痒発現に関与する可能性を初めて示すことができた。3)関連の研究から、アトピー病態における中枢作用薬による掻痒様行動の増強にグルタミン酸受容体であるAMPAが関与することを明らかにした。アロプレグナノロン誘発掻痒におけるAMPA受容体の関与は現在検討中である。以上より、アトピー病態において、アロプレグナノロンが痒みを誘発することを明らかにできた。
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Research Products
(9 results)