2013 Fiscal Year Research-status Report
ボランタリー地理情報の特性評価と共有手法に関する研究
Project/Area Number |
25870907
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬戸 寿一 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任助教 (80454502)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ボランタリー地理情報 / 参加型GIS / オープンデータ / オープンストリートマップ |
Research Abstract |
H25年度は、VGI基礎的研究として主に、オープンデータに基づく地理空間情報の共有化手法とその実践に関する研究に取り組んだ。地理空間情報のオープンデータ化に力を入れている千葉市や横浜市、静岡県等でその動向について調査した。特に静岡県では「ふじのくにオープンデータカタログ」に積極的に取り組んでおり、50以上の地理空間データセットをCC-BYライセンスで公開している。これらの経緯は担当者へのヒアリングおよびFOSS4G Tokyo 2013においてオープンなジオデータを考えるセッションでも取り上げ、データのオープン化をめぐるメリットと課題について専門家を交え議論することができた。 共有化手法については、特に様々なプロジェクトで最も利用されているCKANを取り上げ、その機能や管理運用方法について技術的な調査を行った。幾つかの中間的成果は、学会等で広く報告することができた。技術的な課題については現在も継続して調査を進めており、大規模なポータル運用における課題整理が必要である。 VGIの評価手法に関する基礎的研究は、主に先行するOpenStreetMapを取り上げ、文献調査および国内外でのカンファレンスを基に現在の研究状況について確認した。特にOSM関連では定量的手法による評価が先行しており、定性―定量を混合させた分析手法は新規性を含めて引き続き検討の余地がある。特にVGIをホスティングするポータルサイトや技術的要件を加味することで、データとシステムを一体的に検討可能である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、オープンデータに関する状況が大きく変化したため、当初の研究計画の事例地域から千葉市・横浜市・静岡県等の地理空間情報の流通に大きく関係する自治体への調査を刊行し、それぞれ成果を得ることができた。評価手法の確立については、既往研究の整理に時間がかかっているが、研究のバリエーションも増えてきたため整理はしやすくなてきている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度の研究事例地域についてフォローアップを継続する他,主に自治体オープンデータを対象とする公開共有型・地理空間情報の比較研究を日本国内で実施する.また,オープンジオデータを配信するためのプラットフォームやWebGISのシステム的側面について具体技術を基に検討(実証実験的にサーバー構築を含む)を進める.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析用のPCの購入費用が想定より安く抑えられたため,また謝金についてもデータ収集量に応じて解析データの自動処理が可能であったため,当初計画より安く抑えられた. 本年度における事例対象地域や解析用データが来年度の研究計画とともに展開するため,解析環境(PCやソフトウェア,保存用HDD等)の追加や調査補助者への謝金の執行等を予定している.
|