2015 Fiscal Year Research-status Report
植民地期の韓国港湾都市における建築と都市景観に関する研究
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25870913
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 ミンスク 早稲田大学, 理工学術院, その他 (80535873)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 植民地 / 港湾都市 / 景観 / 近代的都市 / 整備 / 歴史的建造物 / 変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、植民地期の韓国の港湾都市における建築と都市景観の歴史研究を通じて、それらの変容を明らかにするとともに、その地域に現存する未指定文化財がもつ潜在的な歴史的価値を創成することを試みるものである。当該年度の主な成果は、次の3点である。 まず、初年度に韓国関連資料の整理・考察に携わった近藤豊写真資料のデジタルアーカイブ構築が終わり、WebページにてGISおよびWebベースマップを利用して視覚的・効率的に検索・閲覧できるようになった。 次いで、韓国の近代期の港湾に関する資料調査が進み、当時の貴重な地図を新たに発掘することができた。それに伴い、今まで集めた史資料との比較分析を行うことができ、港湾都市としての整備への取り組みについて明らかにすることができた。 また、最近韓国国内でも都市再生や近代期に造成された地区におけるまちづくりが盛んでおり、旧市街地の整備・活用事業が展開されている。今年度はその取り組みに関する傾向を分析するとともに、整備事業が活発な地域を数カ所視察し、比較考察することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は過去2年間の史資料調査と基礎的な現地調査をもとに、潜在的な価値がある建物に関する個別調査を行う予定であった。しかし、調査希望の物件が再開発計画地区に入っているものが多く、調査研究対象としてオープンすることによって取り壊しの際に歯止めがかかることを所有者が恐れており、今年度も調査の許諾を得ることができなかった。そのため、計画を少し変更して、歴史的風情のある地区や建物に関する履歴を整理し、取り壊されても記録は残せる方法を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間の調査研究成果の公表のための作業に取り組む。 まず、蒐集した資料やフィールワークの内容のうち、公開可能な範囲のものを選別し、ホームページ等にて公開する。 次いで、現地の研究者、郷土史学者、行政関係者らとネットワークを構築し、研究成果の地元還元を図る。
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Causes of Carryover |
基礎的な文献およびフィールド調査は終えたが、研究成果のまとめおよび公開には少し時間を要する。そのため、未公開の研究成果の発表、蒐集した史資料のデータベース化に必要な経費を残した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表、論文投稿に使用する予定である。
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Remarks |
このWebページは、京都府立総合資料館が所蔵している故近藤豊氏の日韓の歴史的建造物と街並みに関する写真資料をデジタルアーカイブとして構築・公開したものである。当該研究者は、平成25年度に韓国写真資料の整理に携わった。
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