2016 Fiscal Year Annual Research Report
Architectures and Urban Landscape in the Korean Port Cities under Japanese Rule
Project/Area Number |
25870913
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 ミンスク 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (80535873)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 植民地 / 港湾都市 / 景観 / 近代的都市 / 整備 / 歴史的建造物 / 変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、植民地期の韓国の港湾都市における建築と都市景観の歴史研究を通じて、それらの変容を明らかにするとともに、その地域に現存する未指定文化財がもつ潜在的な歴史的価値を創成することを試みるものである。 今年度は、植民地期の韓国における港湾都市はどのように生まれ、整備されたかについて『朝鮮の港湾』(1925年)と『朝鮮港湾要覧』(1931年)を中心に整理を行った。これらの資料によると、1920年代には主要港湾が九十箇所あったが、1930年代には二百数十港に達するほど急増していることがわかる。そこで、まずは当時の港湾都市に関する基礎的な情報(港湾の種類、位置関係、主要港湾の修築資料の有無)のデータベースを構築した。 また、平成25年度から平成27年度まで収集した釜山・統営・鎮海・済州等の史資料に登場する主要建物・施設の目録化作業を行い、植民地期における状況と現況が比較できるデータベースを構築した。 その上で、両データベースをもとに、主な研究対象地であった統営については都市構造の変遷を明らかにするとともに、統営の主要なな建物・施設の立地が都市構造の変化の中でどのように位置づけられ、歴史的建造物の滅失・変容が生じたかについて考察した。釜山と鎮海については日本軍駐屯基地及び施設が都市構造に及ぼした影響と近年の都市再生ブームの中で果たしている役割について究明した。 平成28年9月には韓国建築歴史学会の学術セミナーで現在日本国内に所在する韓国の建築や都市に関するアーカイブの構築状況、残された課題について発表するすることができた。
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