2015 Fiscal Year Research-status Report
満洲開拓者の引揚げ・再定住・生活再建をめぐる歴史社会学的研究
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25870918
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐藤 量 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (20587753)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 満洲開拓者 / 引揚げ / 再定住 / 長野県飯田 / 戦後開拓 / オーラルヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、満洲開拓者の戦後開拓の事例研究として長野県飯田下伊那地域にて現地調査を3回実施した。飯田は多くの満洲移民を輩出した場所として知られている。現地調査では、飯田歴史研究所や満蒙開拓平和記念館を訪問し、これまでの活動経緯と現況を関係者にうかがうとともに、所蔵されている関係資料を閲覧・複写した。また飯田では引揚者へのインタビュー調査を行い、渡満から終戦、引揚げ体験、飯田での再定住から生活再建にかけての経緯を聞き取りした。 2015年11月1日には、飯田から引揚者を招いて公開シンポジウムを開催した(「戦後70年からみる満洲移民:長野県飯田下伊那の声」(一橋大学))。およそ300名以上の来場者があり、また東京新聞と信濃毎日新聞でも報道され、関心の高さがうかがえた。 本年度の活動成果の一端として、長野県の郷土史の専門誌『信濃』(信濃史学会)に共著論文「帰国邦人団体の会報からみる満洲の記憶」が掲載された。本稿では、満洲開拓者をはじめとする引揚者が戦後書き残してきた会報の歴史資料的価値について述べ、そこから読み解く満洲の記憶とその変遷について論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初予定していた長野県での現地調査を計画通り進められたことに加えて、満洲開拓者を招いたシンポジウムの開催や専門誌への論文寄稿など、これまでの調査内容の一端を成果として公開することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き飯田での現地調査を継続する。
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