2016 Fiscal Year Annual Research Report
Proteomic analysis of chemotherapy resistance related proteins in human breast cancer cells
Project/Area Number |
25870924
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田中 覚 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50595741)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロテオーム / 乳癌 / タキサン |
Outline of Annual Research Achievements |
タキサン系抗癌剤は再発乳癌患者に用いる代表的な薬剤である。本研究では、新規プロテオーム解析法による基礎的研究によって、乳癌細胞におけるタキサンに対する耐性獲得に関する新規蛋白質を同定し、耐性獲得マーカーとしてその臨床応用を目指した。 乳癌細胞株(MCF-7)と、そのパクリタキセル耐性獲得細胞株(MCF-7/TAX)を用いて、改良型2次元電気泳動法によってこれらの細胞株の蛋白質を分離し、両者の発現を比較することで耐性獲得に関連する蛋白質の検索と同定を行った。その結果、多くの蛋白質が有意に発現の差異を認めた。これらの蛋白質の中から、MCF-7/TAXにおいてMCF-7よりも過剰発現していた蛋白質Aに注目した。MCF-7/TAXに対して、遺伝子操作によってこの蛋白質Aをノックダウンさせたところ、パクリタキセルに対する感受性が回復した。以上より、この蛋白質Aがパクリタキセルに対する耐性獲得に重要な働きをしていることが示唆された。 今後は再発乳癌患者の血清を用いて、蛋白質Aの変動とタキサン系薬剤の治療効果を比較検討することにより、耐性獲得マーカーとして蛋白質Aの臨床応用の可能性を検討していく予定である。
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