2014 Fiscal Year Annual Research Report
表面修飾ナノ粒子分析を目指した、ATR-FUV分光測定による分析深さの精密化
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25870938
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
森澤 勇介 近畿大学, 理工学部, 講師 (60510021)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スペクトル分析 / 分子分光 / 高分子ナノ粒子 / 電子状態 / 減衰全反射遠紫外分光法 / 表面分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリスチレンナノ粒子分散液および、分散液から蒸発乾固により作成した膜のATR-FUV スペクトルの入射角依存性およびナノ粒子粒径依存性をあきらかにした。その結果、直径が波長より短い、直径100 nmの粒子において、ポリスチレンのベンゼン環ππ*遷移の特徴的スペクトルが得られるが、直径200 nmより大きな分子においては、屈折率の実数部の影響が大きいことがわかった。これは、ATR-FUV測定において、波長より大きな凹凸がある場合、外部反射による影響を考慮した解析モデルが必要になる事を示している。また、蒸発時にスピンコーターを用いることにより、実験の再現性が著しくよくなることを見出した。直径100 nm粒子について、これまで均一媒に用いたクラマース・クローニッヒ変換を行ったところ、スペクトル形は均一膜と同様に短波長側のピークが大きくなった。これはポリスチレンの均一膜と同様である。表面をNH2で修飾したナノ粒子に対してもスペクトル測定を行った。入射角依存性の測定によって半径近傍の分析深さ依存性を測定した。その結果、NH2修飾粒子のスペクトル形は分析深さが半径付近で線形が広がり、粒子間での相互作用が見られていることが示唆された。一方、解析法の確率については課題が見つかった。修飾のない直径100 nm粒子について、ピーク位置が均一膜よりも長波長側に観測され、また強度も均一膜の10分の一以下となった。このことは、直径が波長より短く吸収の影響も大きく示す場合においても、表面からの散乱の影響を無視できないことを示している。200 nm以上の粒子に対する解析法とともに、屈折率の実部の影響を考慮した解析法が必要である。FDTD計算による、電磁場シュミレーションによる再現が一つの方法であることを示した。
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Research Products
(7 results)