2015 Fiscal Year Annual Research Report
3次元的接着環境下でのがん増殖メカニズムと細胞外分泌小胞によるその制御機構の解析
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25870947
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長野 真 東京理科大学, 基礎工学部, 研究員 (50572715)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | がん悪性化 / 三次元培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は高分化型胃がん由来MKN7細胞(MKN7-親株)とこれから作製した三次元適応株(MKN7-3D株)、低分化型胃がん由来MKN45細胞(MKN45-親株)とこれらか作製した三次元適応株(MKN45-3D)を用いて、三次元適応株で特異的に発現が亢進あるいはリン酸化が亢進しているタンパク質のスクリーニグを行った。スクリーニングにはProteome profiler (R&D)を用いて、細胞膜受容体型キナーゼのリン酸化(49種)、非受容体型キナーゼのリン酸化(43種)、細胞ストレス関連分子の発現(26種)、がん関連因子の発現(84種)、プロテアーゼ/プロテアーゼ阻害タンパク質の発現(34種/32種)について、親株と3D株間での差を解析した。この結果、MAPK関連因子など、3D株でリン酸化あるいは発現が上昇しているタンパク質が同定された。 また3D株の性状解析の結果、MKN7では3D環境での継続培養によって、上皮細胞の特性が消失しており、不可逆的な間葉転換が生じていることが認められた。 さらに、3D株から分泌される細胞外分泌小胞の性状を明らかにするために、これでMKN7親株を処理し、悪性化の誘導が認められるかを解析したが、大きな変化は認められなかった。この分泌小胞の性状解析は今後の課題である。
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