2013 Fiscal Year Research-status Report
神経難病患者の療養環境における家族の影響に関する研究
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25870948
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
酒井 美和 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 助教 (70454436)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / 家族 / ジェンダー |
Research Abstract |
本研究では、医療的ケアを必要とする神経難病患者(ALS)の円滑な在宅療養の構築に対して、家族が与えている影響、また家族以外が与えている影響について、ジェンダーの視点から検討を行う。 本年度はまずは文献収集を行い、分析を行った。特に、ALS患者が在宅生活を自ら記した雑誌記事のテキスト分析を行い、在宅生活におけるALS患者本人と家族の関わりについて、テキスト分析を通して検討した。カイ二乗検定の結果を見てみると、ALS患者が使用したテキスト「配偶者」、「親」には、それぞれの出現率に患者の性差で有意な差があり、ともに女性患者のテキストにおいて出現率が高かった。 文献収集以外に、ALS患者に対して半構造面接調査を行うため、調査票を作成した。その後、ALS患者1名(女性、20代)に対して半構造化面接を2回に分けて実施した。その結果、次の3点が示された。第一に、母親が主にケアを行っていた。父親および姉妹は補助的な役割を担っていた。特に、本人が大学生時代には希望する生活を支えるために、母親は退職しており、通学の付き添いだけでなく授業時の待機など、常時介護を行っていた。本人の希望する生活が行えるかどうかについては、母親の支援が得られるかどうかが重要な事項となっていた。第二に、在宅生活においては、PCおよびスマートフォンが非常に活用されており、それらを通した友人・知人とのネットワーク構築が行われていた。20代であるため、PCなどの操作に親しみやすく、SNSの活発な活用などが行われていた。第三に、外出にはヘルパーを利用しているが、事業所間との事前調整が様々な面において必要であり、本人の希望する自由な外出は難しい場合があった。しかしながら、改善のために本人がヘルパーや事業所に働きかけを行っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な文献を収集し、分析することができた。 また、半構造化面接を行うための調査票を作成し、ALS患者1名に対して調査が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、国内外の文献収集を行う。 他のALS患者に対しても、半構造化面接を実施し、分析を行う。 また、ALS患者家族や支援者であるヘルパー等に対しても、調査票を作成し、半構造化面接を実施する。
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