2014 Fiscal Year Annual Research Report
小脳磁気刺激によって誘発される長潜時筋電図反応の解明
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25870951
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Research Institution | Shijonawate Gakuen University |
Principal Investigator |
松木 明好 四條畷学園大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20624026)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小脳 / 脊髄 / 経頭蓋磁気刺激 / H反射 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は小脳と脊髄の機能的連結をより詳細に評価する方法を検討するために、小脳半球への経頭蓋磁気刺激後の同側ヒラメ筋H反射興奮性変動を検討した。その結果、1)小脳への経頭蓋磁気刺激とH反射誘発のための脛骨神経刺激の間隔が110-130msの時、H反射興奮性は有意に促通(cerebellar spinal facilitation:CSpF)されることが分かった。2)このCSpFは小脳への経頭蓋磁気刺激に混入する音刺激や頚部背側筋刺激では生じず、3)磁気刺激強度に依存して促通量が増大することが示された。また、4)このCSpFはヒラメ筋Iaシナプス前抑制の減少を伴うが、相反抑制の減少は伴わなかった。さらに、5)小脳および小脳関連領域の活動を要求する課題(2Hzのビープサウンドに合わせて右示指をタッピングする課題)によって、CSpFの量が変動することが明らかになった。つまり、小脳への経頭蓋磁気刺激は脊髄運動ニューロンIaシナプス前抑制に関連する錐体外路(前庭脊髄路や網様体脊髄路)を経由して、多シナプス性に脊髄運動ニューロンプールを興奮させ、その程度は小脳関連領域の活動の影響を受けて変動すると考えられた。以上より、小脳への経頭蓋磁気刺激によって得られる同側ヒラメ筋H反射の促通現象であるCSpFを観察することで小脳関連領域、および小脳と脊髄の機能的連結の一部を評価できる可能性があると考えられた。
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Research Products
(4 results)