2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Nursing Care Model Focused on the Pregnancy and Childbirth for Women after a Kidney Transplant
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25870952
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
吉川 有葵 摂南大学, 看護学部, 講師 (20614085)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腎移植 / 臓器移植 / 妊娠 / 出産 / 看護 / 育児 / レシピエント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腎移植レシピエントの妊娠・出産・育児を取り巻く要因とQOLとの関連を明らかにするとともに、それをもとにして腎移植 レシピエントの妊娠・出産・育児に対する看護支援モデルを開発することが目的である。 まず、腎移植後に出産した女性の身体的および心理・社会的要因が健康関連QOL(HRQOL)に与える影響について検討した。研究デザインは横断研究(質問紙調査)、調査期間は2015年7月~2016年4月である。国内の腎移植実施施設200施設に研究依頼、21施設83名のレシピエントより研究の協力を得て、質問紙による調査を実施した。65名の回答を得て、すべての測定項目が分析可能であった59名を分析の対象とした。結果、対象者の年齢は42±7(平均±標準偏差)歳、移植時年齢は28±5歳、移植後出産時年齢34±4歳であった。HRQOLは国民標準値とほぼ同等であった。HRQOLと関連する要因についての最終モデルは、腎移植レシピエントの自己管理行動は、直接的には身体的側面に影響しないが、医療者との関係を築け、セルフケア行動の可能なレシピエントがソーシャルサポートを得ることによって間接的に身体的側面へ影響を与えることが示唆された。 次に、欠損値のある回答を除く80例の出産について分析した。腎移植レシピエントの出産の結果は、出産時年齢34±4歳(24-43)、出生児体重2299±597g(609-3236)、在胎週数35±3週(27-40)であった。 腎移植レシピエントが妊娠・出産を考える上で、まずは自身の自己管理ができること、サポートを得られる環境が整っていることが重要である。そして、妊娠後は早産を予防するためにも早産の危険因子とされる感染症に対するケア、慎重な周産期医療が必要である。さらには、出産後も継続してレシピエントを取り巻くサポート状況の確認が必要であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)