• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

日本の技法を応用した天然素材の表面改質による快適性新素材の研究

Research Project

Project/Area Number 25870964
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionMukogawa Women's University

Principal Investigator

竹本 由美子  武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教 (90581926)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords麻 / 表面加工 / 接触冷感 / 柔軟性 / 染色性
Research Abstract

本研究では、天然繊維で優れた接触冷感と清涼感を有する「麻」について、その汎用を妨げる硬さや染まりにくさなどの短所を改善すべく、日本古来の技法を活用した柔軟性及び染色性の改善法から学び、繊維の表面改質をおこなうことによって、天然素材の優れた特性も活かした省エネルギー対策にも有用となる快適性素材の開発を試みている。
今年度は、各種麻素材及び快適性素材に関する情報収集と、試料の収集のために、古来より麻織物の生産地である新潟県小千谷市、滋賀県近江市に足を運び、現地で有意義な情報と試料を得ることができた。これらの試料について、剛軟性や洗濯性、耐摩擦性、接触冷感測定、デジタルマイクロスコープ、電子顕微鏡による表面観察などをおこない、快適性素材開発に向けての分析をおこなった。
小千谷縮に関しては、シボ(凹凸)が製作工程でおこなわれる湯もみによって付与されるため、この湯もみが布を柔らかくする効果もあるようである。布の剛軟性を測定したところ、やはり縮が付与されることによって硬さが緩和されていた。さらに、洗濯試験をおこなったところ、特徴的なシボは容易に取れることなく、洗濯による収縮も乾燥方法に注意すれば綿よりも収縮率は低くなった。また、麻は表面への染色性は良好であるが、繊維内部まで染料が浸透しにくいために、摩擦等で白化現象が生じやすい。そこで、プラズマ処理を繊維表面に施すことによって、染色性の改善を試みたところ、その有用性も確認確認できた。
今年度の研究成果の一部は、日本家政学会関西支部研究発表会にてすでに報告をおこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初、予定していたとおり麻の生産地に赴き、各種麻素材に関する情報収集と、試料の収集ができたため、剛軟性や洗濯性、耐摩擦性、接触冷感測定、デジタルマイクロスコープ、電子顕微鏡による表面観察など、様々な測定をおこなうことができた。
その他にも、表面処理による染色性の改善についても実験を進めることができたが、小千谷縮の色味を鮮やかにするとされる雪晒しを現地にて体験し実施する予定であったが、今冬は積雪の状況が思わしくなく断念せざるをえず、雪晒しの効果についての研究は次年度におこなうこととなった。そのため、実験室的に寒冷環境での雪晒しの効果について検討しているところである。また、滋賀県近江市へ赴き、小千谷縮と同じく表面に凹凸のある近江縮を入手し、縮を付与する工程が両者で異なることから、涼感素材としての比較分析もおこなうことした。

Strategy for Future Research Activity

今年度の実験を継続し、小千谷縮と近江縮について縮を付与する工程の違いが、布に与える影響を検討する。また、近江縮の製作体験にも参加することで情報を収集し、冬季には小千谷縮の雪晒しを実際に体験し、実験試料も持参して雪晒しをおこなう予定である。
一方、麻の染色性の改善策として、麻の上布の1つである「八重山上布」で実施されている海晒しに色止め効果があるとされていることから、実際に八重山諸島へ赴き海晒しの現地調査と、実際に海晒しをおこなう予定である。持ち帰った試料について、その染色性の変化を分光光度計による測色と、デジタルマイクロスコープによる表面観察によって海晒しの効果を確認し、科学的な分析を試み麻の染色性改善につなげることで、省エネルギー対策にも有用となる快適性麻素材の開発に向けた研究とする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度は、当初予定していた外部への調査依頼や、データ入力などのアルバイト雇用はせずに研究を進めることができたため、その必要経費が次年度使用額として反映されている。また、小千谷市や近江市の現地調査と共に調達した試料は、協力企業より提供していただいため、物品費や郵送費の使用額が少なくなったことも理由にあげられる。また、今冬に予定していた小千谷市での雪晒しが延期になったこともあるため、準備物に掛かる必要経費も次年度に使用を希望する。
小千谷市や近江市の現地調査も継続しながら、他の生産地の試料も入手を考えており、それらの購入費用及び郵送代として使用する。また、今冬に予定していた小千谷市での雪晒しが延期になったこともあるため、準備物に掛かる必要経費も次年度に使用を計画している。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 小千谷縮の表面特性と快適性

    • Author(s)
      竹本由美子,藤田かおり,新作真実,奥野温子
    • Organizer
      日本家政学会関西支部第35回研究発表会
    • Place of Presentation
      大阪青山大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi