2013 Fiscal Year Research-status Report
足趾握力と変形性膝関節症の病態の関係についての横断調査
Project/Area Number |
25870971
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
瓜谷 大輔 畿央大学, 健康科学部, 助教 (10454802)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 足趾 / 足趾握力 / 筋力 / 変形性膝関節症 |
Research Abstract |
足趾握力と変形性膝関節症(膝OA)との関係について、初年度はデータの収集と予備的解析を実施した。データの測定・収集は国内の5病院で変形性膝関節症患者(OA群)と、奈良県内で2つの自治体主催の住民向けイベントにおいて下肢に手術歴・重篤な既往歴のない参加者(対照群)を対象に行い、初年度中にOA群111名、対照群66名分のデータが得られた。 先行してデータを得られた膝OA群78名と対照群66名のデータの予備的解析を行った。解析項目は身長、体重、BMI、足趾握力、等尺性膝伸展筋力とした。結果は対照群に対してOA群は、BMI(対照群;21.7±2.6、OA群;25.5±3.5、p < 0.01)が有意に高値で、足趾握力(同11.6±5.2kg、7.4±4.2kg、p < 0.01)と等尺性膝伸展筋力(同26.8±7.5kg、15.3±6.9kg、p < 0.01)が有意に低値であった。多重ロジスティック回帰分析では、性別(オッズ比0.04、95%信頼区間0.01-0.31)、BMI(同1.98、95%信頼区間1.49-2.63、p < 0.01)と等尺性膝伸展筋力(同0.71、0.63-0.80、p < 0.01)が選択された。 予備的解析の結果、OA群では対照群と比較して足趾握力が有意に低下していた。多重ロジスティック回帰分析の結果では足趾握力は膝OAと有意な関連要因として選択されなかった。予備的に解析したOA群は78名中71名が全人工膝関節置換術目的の入院患者で重症例が多く、活動性の低下による膝伸展筋力低下や体重の増加が今回の結果に影響している可能性があった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初の予定でOA群の目標サンプル数を200例としていたが、初年度中に111例のデータを収集でき、当報告書作成時点でさらに延べ約60例のデータを得ることが出来ている。また初年度に予備的解析を行うことによって、データの傾向や今後の解析の方向性を確認をすることができた。また予備的介入の解析結果を国内学会および国際学会にエントリーし採択され、平成26年度中に発表予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、OA群において重症度の低い対象者のデータも含めておおむね予定通りのサンプル数が集まりつつあるため、予定通りに解析作業を本格的に進めていく予定である。また解析結果を国内・国際学会にエントリーし、またその内容を論文化する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会での成果発表が年度内に行えなかったため、旅費の項目で使用額が予算を下回った。またデータ入力・データ整理において見積もっていた人件費を他の予算から充当することが可能であったため使用額が予算を下回った。 国内外での成果発表にあたっての旅費として使用する予定である。またデータ解析の際の補助業務に対する人件費として使用する予定である。
|