2013 Fiscal Year Research-status Report
特別ニーズ幼児に対するドキュメンテーションを中核とした支援システムの開発
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25870975
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kurashiki Sakuyo University |
Principal Investigator |
真鍋 健 くらしき作陽大学, 子ども教育学部, 助教 (10611197)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドキュメンテーション / 特別支援教育体制整備 / Authenticity |
Research Abstract |
本研究では「園が導入しやすい支援システム」を視野に入れた上で、ドキュメンテーション(子どもの言葉・活動の過程等が写真・ノートなど多様な手段で記録・集約されたもの)を特別ニーズ幼児への支援体制に位置づけるための配慮や方策を検討する。平成25年度は下記のとおり、ドキュメンテーションを活用した支援の可能性と課題を検討した。 1.先行研究による支援事例の検討を行った。特別ニーズ幼児にこうした類のツールが適用された事例は数えるほどしかない。一方、効果については「システム・制度レベル」でのメリットだけではなく、「支援者の意図レベル」「支援者間の関係性のレベル」など異なる次元でも有効である可能性が確認できた。ただしIEPをはじめとする一般的な手法と対比させた実証的検討は1報告のみであった。効果について今後細かい検証が必要である。 2.他国のシステムや教育実践の確認。国外文献における同様のツールの使用状況の検討を行った。客観的・具体的な行動目標を中核としたアセスメントから再評価にいたるLinked Systemの各々のプロセスで、定量的なデータ以外にも質的なデータが用いられてる内容が散見されたが、その手法・位置づけ等は明らかではなかった。米国障害幼児専門職団体DECの年次大会にて、「自閉症児に対するプロジェクトアプローチ」に関するセッションの中で、ドキュメンテーション活用に関する情報を得た。現在その詳細については分析中であるが、セッション内では(他のセッションと比して)多くの参加者がおり、米国内でこうしたツールを用いた実践に対する関心の高さもうかがわせた。 特定の状況での学びを捉える上では「どこで、いつ、何を、どのように」等、自然な場面の中での機能性が重要視される。ツールはそうした視点への広がりを保障させる一方、子どものニーズ等に応じて活用方法や位置づけがどう変わるかを今後検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドキュメンテーション展開の実践に関する実地調査(国外)についは、国外研究者の状況に応じて初年度または次年度を予定していたが、次年度に行なうことになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
・ドキュメンテーションを活用している実践(海外)の実地訪問とその活用実態に関する調査(効果・課題の確認、IEPとの併用の状況、子どものニーズとの兼ね合い、その他) ・国内で関連するツールを活用している研究・実践に関して、学会シンポジウム等にて国内研究者との情報共有・協議等を行う。 ・ドキュメンテーションを活用した包括的支援システムの事例導入にあたっての準備
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の遂行状況に応じて(国外研究者の協力による)、本年度実地調査を予定していたが、次年度にずれこむことになったため、次年度使用額が生じることとなった。 次年度、米国においてドキュメンテーションを年間を通して活用している施設の実地調査を予定している(現在、当該研究者との調整を行っている)。訪問者は申請者ならびにこれまでドキュメンテーション等のツール活用の経験がある国内研究者1名である。次年度使用額については、この調査にかかる旅費として使用する計画である。
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Research Products
(8 results)