2015 Fiscal Year Research-status Report
地域住民における作業機能障害の記述疫学および医学的指標との関連性の検証
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25870977
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
三宅 優紀 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40469317)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 作業機能障害 / 地域在住者 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに,1.作業機能障害の存在率,2.作業機能障害と職業性ストレス,生活習慣病関連要因(Body Mass Indexや血圧)との関連性,3.精神機能評価と医学的指標との関連性を明らかにした.平成27年度は,研究の対象を職域から地域在住者に広げ,調査を実施した. 【目的】地域在住者を対象に,①CAOD(作業機能障害の種類と評価)の地域在住者への転用可能性の検討と,②作業機能障害とメタボリックシンドローム及びその構成項目との関連を検討することだった. 【対象】A市の特定健診を受診し,研究の同意が得られた1,668人のうち,必要な情報の得られなかった154人を除外した1,514人(男性658人,女性856人)を解析対象とした. 【結果】①調査で用いたCAOD(作業機能障害の種類と評価)の確認的因子分析を実施したところ,地域在住者においても,作業周縁化,作業疎外,作業剥奪,作業不均衡の因子構造が確認でき,転用可能性があることが示された.②作業機能障害スコアが最も低い群に比べ,最も高い群ではメタボリックシンドロームの発現率が高く,この関連は,肥満者,及び,65歳以上の高齢者で特に顕著であった.さらに,肥満者では作業機能障害スコアが最も低い群に比べ,最も高い群では脂質異常症の割合が高く,この関連は,65歳以上の肥満者において顕著であった. 【結論】CAODは地域住在住者において構造的妥当性が確認され転用可能性があることが示された.さらに作業機能障害はMets,及び,肥満高齢者の脂質異常症との関連が認められ,作業機能障害に介入することで生活習慣病の予防につながる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度の計画をおおむね実施した.地域在住者からのデータ収集,データ解析,学会発表を計画通りに実施できている.
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Strategy for Future Research Activity |
結果をまとめ,論文執筆を行い,投稿する. 日本産業衛生学会,日本作業療法学会等で,成果を発表する.
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Causes of Carryover |
昨年度の前半は育児休暇だったため,予算執行があまりできなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在使用中のパソコンでデータ解析をしているが,解析ソフトの動きが遅いため,パソコンを買い換える予定である.
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