2014 Fiscal Year Research-status Report
産後の女性のマイナートラブルと姿勢の関係に関する研究
Project/Area Number |
25870984
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
平元 奈津子 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (50441564)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウィメンズヘルス / 理学療法 / マイナートラブル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,産後の女性のマイナートラブル(身体症状)と姿勢の関係を明らかにすることで,産後の女性が抱える症状緩和への基礎的データを確立することである.具体的には脊柱アライメント,筋機能測定として体幹筋の筋硬度および骨盤底筋群の筋収縮力を計測し,これらの結果と身体症状の関連を検討する. 実施計画に基づき,産後のマイナートラブルの実態を把握するためにアンケート調査を実施した.調査項目は現病歴,既往歴,妊娠の経過等の医学的情報,妊娠・出産経験数,産後に生じたマイナートラブルの有無と程度,マイナートラブルに対する治療の有無とした.マイナートラブルは先行研究により報告されている疾患や症状から多く認められているものとし,運動器系,泌尿器系,呼吸循環器系,精神神経系の代表的な症状に分類した. アンケート調査は95名より回答が得られた(平均;年齢33歳,子供の数1.9人).マイナートラブルのうち特に多かったものが腰痛(65.8%),肩こり・頸部痛(60.1%),尿失禁(40.8%),骨盤痛(36.8%)であった.これらのマイナートラブルに対して専門的治療を行ったものは全体的に非常に少なかった.治療が行われなかった原因として,自由記載より,どの診療科を受診すべきかわからない,どの程度の症状で受診すべきかの判断ができない,これらのような相談をする人や機関がなくて困る,などが挙げられた. 産後のマイナートラブルは多くの産後の女性が何らかの症状を有するにもかかわらず,専門的な治療がなされていない現状が明らかとなった.特に産後の腰痛や骨盤痛,尿失禁は長期化する可能性があり,より早期に専門的治療または予防を実施することが重要であるが,対象者にはこのような知識や相談する機会がないことが問題点として明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の遅れを生じている理由が2点考えられる. 1点目は,対象者の募集が非常に難航していることである.実態調査についての対象者は2年目に実施できたが,その後の研究実施に際しての産後1年未満,1-2年,2-3年,3年以上の各期に該当する対象者が一定数集まらないのが現状である. 2点目は,計測に必要であった骨盤底筋筋力の評価に使用する機器について,製造元メーカーから突如販売中止の申し出があり,日本では他に製造および輸入取扱を行う業者がなく,代替え機種の購入ができず,年度内にすべての研究を完了することが不可能となったためである.
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Strategy for Future Research Activity |
販売中止となっていた骨盤底筋筋力評価機器の後継機種の取り扱いが今年度4月に開始され次第購入し,骨盤底筋機能の測定を始め,各項目の測定を実施する.すべてのデータが揃い次第,データ解析を行う. 対象者の募集に遅れが生じているため,予定した人数を下回る可能性も予測されるが,可能な限り予定人数に達するよう,実際の調査を開始する.
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Causes of Carryover |
研究最終年度,骨盤底筋群の筋機能測定のために用いる機器について,製造元メーカー(韓国本社)から突如現在販売中の骨盤底筋群測定機器すべての販売中止の申し出が取扱い業者にあった.当機種は日本国内ではほかに製造および輸入取扱を行う業者がなく,代替え機種の購入ができず,後継機種は2015年4月以降に発売が決定しているため,年度内にすべての研究を完了することが不可能となったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
骨盤底筋群測定機器の後継機種について,2015年4月以降に取扱い開始となり次第購入し,骨盤底筋機能の測定を開始する.同時に実施する他の測定機器による結果と併せてデータ解析し,国内外での学会発表および論文投稿を行うこととし,未使用額はその経費に充てることとする.
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