2013 Fiscal Year Research-status Report
多様な居住・訪問形態の展開による限界集落の持続可能性の検証
Project/Area Number |
25870993
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nishinippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
八木 健太郎 西日本工業大学, デザイン学部, 准教授 (30352222)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 限界集落 / 持続可能性 / 離島 / 居住形態 |
Research Abstract |
過疎地域における多くのコミュニティは、限界集落と称されその存続が危ぶまれる状況に陥っている。本研究は、限界集落と定義される状態にあるコミュニティであっても、「必ずしも近い将来に消滅するわけではなく、さまざまな居住形態や訪問形態に支えられながらコミュニティの活動を存続させ、集落としての存在を維持することができるのではないか?」という仮説にもとづき、都市近郊の離島における限界集落を対象として、その持続可能性を検証し、集落の存続を担保しうる諸条件を明らかにすることを目的とした研究である。 本研究では、以下の三つの項目について明らかにすることを目的としている。(1) 生活形態・訪問形態の多様な展開とその実態の解明。(2) コミュニティ活動の維持・存続への影響の解明。(3) 集落の持続可能性に与える影響の検証。という3つの段階で構成されており、その研究対象として広島県三原市、福岡県北九州市、鹿児島県鹿児島市という3つの地域の離島をあげている。 このうち、平成25年度は、主として(1)および(2)の生活形態・訪問形態の多様な展開と実態の解明のうち、広島県三原市小佐木島における新たなコミュニティ活動の担い手の状況について、継続的な調査を行った。この調査にもとづく研究成果はすでに投稿済みであり、平成26年度の日本建築学会大会において発表される。 福岡県北九州市および鹿児島県鹿児島市における調査については、詳細な調査を実施するための準備を進めている段階であり、今年度から三地区での調査活動を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、鹿児島県鹿児島市の桜島近隣の離島における調査も予定していた。しかしながら、調査を予定していた夏季に発生した桜島の極めて大規模な噴火の影響により、現地での調査の実施が不可能となったため、鹿児島市の現地調査の平成26年度以降への繰り下げを行っている。 天候その他の自然要因による計画の遅れであり、やむを得ない理由による研究計画の修正である。 その他の研究実施状況については概ね研究計画に沿って推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、昨年度の成果のうえで、基本的には当初の研究計画に沿って調査・分析を進める。 上記の現在までの達成度に記したとおり、自然要因による研究計画の遅れが発生しており、平成26年度は鹿児島市の対象離島集落を重点的に調査を行い、遅れを計画の遅れを取り戻せるよう研究を進める。 一方で、本研究課題の内容は、継続的なフォローアップ調査を行うために一定の期間を必要とするものでもあることから、鹿児島市の対象地域については研究期間そのものの一年延長も含めた計画変更の可能性を排除することなく研究を進めていく。 最終的な目的は、集落機能の維持存続と多様な生活形態・訪問形態の関係性の解明であり、その実現に向けたデータの収集と分析を進め、3つの対象地域を比較分析しながら総合的な検証を行う。 平成25年度同様に、研究をとおしてもたらされた成果は、随時、建築学会や東アジア地域で開催される国際学会等で公表する。 平成26年度については、中国杭州で開催される国際学会 (International Symposium on Architectural Interchanges in Asia) での研究発表を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
すでに研究実績の現在までの達成度において説明しているとおり、昨年度実施予定であった、鹿児島市を対象とする調査を実施することができなかったことにより、研究調査旅費ならびに調査に必要な物品の購入、調査資料の整理等にかかる人件費等について、次年度使用額が生じているものである。 平成26年度への繰越分については、昨年度実施することができなかった鹿児島市の対象地域での現地調査およびその調査結果の整理等、本来昨年度実施されるはずであった作業およびそれに必要な物品に充当される。
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