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2013 Fiscal Year Research-status Report

STAT3によるグリオブラストーマ幹細胞化の解析とその応用

Research Project

Project/Area Number 25871006
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

千葉 知宏  杏林大学, 医学部, 助教 (60398617)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsグリオブラストーマ / STAT3 / 癌幹細胞 / リプログラミング
Research Abstract

癌幹細胞仮説は癌の治療抵抗性の本質として注目されている。しかし、癌幹細胞の出自はいまだ明らかでなく、その維持機構を解明することは医学的に重要な意義を持っている。グリオブラストーマ(GBM)は癌幹細胞仮説に従うと考えられる悪性度の高い腫瘍である。また、GBMではSTAT3と呼ばれる幹細胞性維持やリプログラミングによるiPS細胞作成を促進するタンパクの活性が高いことが知られている。本研究では、GBM幹細胞からGBMが作られるという一方向性のモデルではなく、「化学療法や免疫反応といった癌細胞へのストレスに応答して通常のGBMから癌幹細胞への転換が生じる」との仮説を立て、特に重要と考えられる幹細胞化促進タンパクSTAT3の制御機構を中心として、仮説の検証・メカニズムの解明を目的とする。
平成25年度はGBM幹細胞化系の確立、GBM幹細胞化メカニズムの解析およびGBM患者標本におけるSTAT3依存性幹細胞化の検討を実施した。3種のGBM培養細胞株(U87MG, U373, T98G)を用いて、細胞分散、低酸素、抗癌剤という3種のストレス下に培養したところ、リプログラミング遺伝子群(OCT4, SOX2, KLF4, c-Myc, NANOG, LIN28)が、それぞれ一定の組み合わせで誘導されることを確認した。また、GBM幹細胞に発現するとの報告がある遺伝子(CD133, SSEA-1, BMX, ALOX5, etc.)の発現も誘導されることが確認された。また、上記ストレスと同時にSTAT3阻害剤の処理を加えると、GBM幹細胞化が抑制されたことから、STAT3活性化が癌幹細胞化にも重要な役割を担っていることが想定された。さらにGBM患者標本における免疫組織学的解析を実施したところ、活性化型(リン酸化型)STAT3がGBM細胞に強く発現していることを確認した。現在までに、パラフィン標本上でGBM幹細胞を染色することに完全には成功しておらず、条件検討を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度は、所属機関の変更により、設備や資材、日程の面で、当初の研究計画通りの順番で研究を進めることが出来ず、順序を変更しながら研究計画全体を進めた。具体的には、新所属機関では主に病理組織学的な解析に関する設備が充実しているものの、一部の分子生物学的検討やイメージングに関する機器が完全には備わっていなかったため、平成25年度に実施する予定であったイメージング細胞の作製を遅らせ、平成26年度に実施する予定であったGBM患者標本における検討を先行させた。現在は機器類等の環境がほぼ整ったため、当初の計画に沿った実験の遂行が可能となっている。全体として、研究計画は順調に進捗している。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究計画としては、平成25年度に作成予定であったGBM幹細胞化イメージング細胞の作製を急ぐ。また、予定通りにGBM xenograftモデルを作製し、幹細胞化のin vivo imagingおよびSTAT3経路阻害に基づく幹細胞化標的療法の実施を順次進める予定である。GBM患者標本の検討に関してはパラフィン標本における幹細胞の染色条件の検討に時間がかかっているが、CD133, SSEA-1以外の幹細胞マーカーの使用も視野に入れ、最適化する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究計画の進行状況にも記載した通り、所属機関の変更に伴い、実験計画を微調整しながら進めている。大きな差額は生じていないが、当初の予定から少しの差額が生じてしまった。
全体の計画に変更はないため、初年度使用しなかった研究費に関しては次年度に使用する予定である。

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Published: 2015-05-28  

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