2016 Fiscal Year Research-status Report
災害対策を含めた小児在宅療養継続への支援―家族・医療者・行政の役割の明確化―
Project/Area Number |
25871007
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
廣渡 加奈子 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (90584516)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 小児在宅 / 親 / QOL / 養育負担感 / 災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施4年目である平成28年度は、医療的ケアを要する小児在宅療養を行っている親のQOL(以下親のQOL)の評価を行うこと、またその親のQOLと養育負担感の関連について検討することを目的に量的調査を実施した。QOLの尺度は疾病の有無を判定するのではなく、受検者の主観的幸福感、生活の質を測定できるものであり、世界各国で幅広く用いられているQOLの評価尺度であるWHOQOL26を用いた。養育負担感の尺度は開発者に了承を得て、養育負担感尺度を用いた。調査は訪問看護ステーション、診療所等を通じて対象となる親に配布していただき、郵送にて回収を行った。
また、親のQOLの状況をより深く理解するために、質的調査を行うことを検討しており、研究方法としてはmixed‐methodを実施する予定で進めている。質的調査は平成29年度実施予定であり、量的調査の結果を踏まえ、親のQOLについて明らかにすることを目指している。
また、医療的ケアを要する小児在宅療養を行っている親が、どのように災害対策を実施しているのかについての調査を予定していた。今年度は親自身が災害対策に関する活動を行っている親を対象とし、インタビューを行った。内容としては、どのようなプロセスで災害に活動を行うようになったのか、活動を行ってみての意識や行動の変化などについての調査を実施している。対象者の確保が困難であり、平成28年度は1名のみのインタビュー実施となっているが、29年度に調査協力をしていただける予定者がおり、調整を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に予定していた量的研究は実施できたが、分析に時間を要しており、やや遅れているとの評価に至った。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は前年度に行った量的調査の分析、その結果に関する論文作成を行う。 また質的調査も進め、親のQOLについて明らかにしていくことができるよう、研究を進める。
|
Causes of Carryover |
アンケートの回収率が伸び悩み、アンケート回収費用が大幅に予算を下回ったこと、またデータ入力に必要なため計上していたパソコンの購入を延期したことが大きな理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
質的調査時の交通費、データ処理用のパソコンの購入、情報収集や成果報告としての学会参加に関する費用として使用することを予定している。
|