2014 Fiscal Year Research-status Report
プロソディの音声解析による自閉症スペクトラム障害児の就学前診断ツールの開発と検証
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25871023
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中井 靖 宮崎大学, 教育文化学部, 講師 (80462050)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自閉症 / 音声解析 / プロソディ / 就学前 / 診断ツール / 早期発見 / 早期支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
神戸大学大学院保健学研究科、同大学院工学研究科と連携して本研究を進めた。本年度は以下3点を実施した。(1)発達支援モデル教室・ぽっとらっくに参加する子どものうち、自閉症スペクトラム障害児27名の音声データを収集した。(2)前年度に収集したデータと(1)で収集したデータを合わせ、神戸大学大学院工学研究科・滝口哲也准教授とともに、音声の質的要素であるプロソディを独自に開発した音声解析プログラムを用い、自閉症スペクトラム障害児と定型発達児の違いをより書斎に検討した。その結果、発話した単語においては、語頭に自閉症スペクトラム障害児と定型発達児のより顕著な違いがあることが明らかになった。また、両者の違いは一部分の極値的なものではなく、発話全般に認められることが明らかになった。これらの結果に基づき、独自に開発した自閉症スペクトラム障害児と定型発達児の音声識別プログラムに改良を加えた。また、自閉症スペクトラム障害児の最新の知見について、大阪国際大学短期大学部・松井学洋講師をはじめ、複数の専門家から情報提供を得た。(3)第117回日本小児科学会(名古屋)、第56回日本小児神経学会学術集会(静岡)、第111回日本小児精神神経学会(東京)、第61回日本小児保健協会学術集会(福島)にて本研究の成果を発表し、小児医療の観点から検討を行った。また、自閉症と音声研究会(東京)にて本研究成果を発表し、音声工学の観点からも検討を行った。これらにより、複合領域を融合した観点から本研究を振り返ることができた。また、本研究内容を学術誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した通り、「自閉症スペクトラム障害児と定型発達児の音声データ収集」と「音声識別プログラムの改良」を達成しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した通り、今後は「音声識別プログラムの有効性の検証」と「本研究成果の公表」を確実に進める。
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