2015 Fiscal Year Research-status Report
人間の認知特性を活かした情報呈示インタフェース・デザインの実証的提案
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25871027
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
伊師 華江 仙台高等専門学校, 建築デザイン学科, 准教授 (10435406)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情報提示 / テレビ画面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,テレビ等の映像視聴者に対して特定の情報を伝達するために効果的な情報提示方法を考察することをねらいとしている.本年度は主に,昨年度取得した視線データの再分析と,新しく制作した映像刺激を用いた評価実験(主観評価および視線計測)を計画して実行した. 昨年度の実験データ再分析では,映像再生の途中でL字型画面(テレビ映像の空き領域を利用してテレビ視聴者に向けた情報表示を行う放送形式)に切り替わり,交通情報などの情報が表示される刺激における観察者の映像コンテンツ注視傾向について検討を加えた.分析の結果,L字型画面へ切り替わった後,約20秒間の主映像コンテンツに対する視線停留時間が低下する可能性が示唆された.そこで次に,L字型画面で観察する条件と通常の画面で観察する条件を設け,20秒間の映像刺激を多数制作し,映像コンテンツに対する観察者の主観評価(映像内容に対する理解度)と視線停留について分析した.その結果,映像内容に対する理解度について条件間の有意差は認められなかったが,視線において一停留時間の分布に差異がある可能性が示唆された.これらの成果の一部は国内の研究会および学会で発表された. 今後,映像内容に対する理解度以外の主観評価などを併せて実施することで,L字型画面によってもたらされる一停留時間の分布の差異が映像の見方や映像から受け取る印象度などに及ぼす主観的な影響を検討する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,昨年度取得したデータの再分析結果を踏まえ,新規の実験計画で研究を遂行することができた.取得データのとりまとめと論文化を次年度に行う予定であることから,今年度ははおおむね順調に研究が進展したと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた研究成果を総括し,研究内容の取りまとめをはかる.成果は学会で発表するほか,論文化して投稿する準備を行う.
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Causes of Carryover |
研究目標をより精緻に達成するための追加実験(結果の信頼性を確保するための被験者人数追加,新たな視点での分析追加)を実施中であり,これら成果を学会及び研究会で発表した上で論文化してまとめて投稿することを予定しているため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験データの分析を行うためのPCおよび分析ソフトを導入する.また,成果公表のための英文校正費,学会参加費,論文投稿費,抜き刷り代,旅費などに使用する計画である.
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