2015 Fiscal Year Annual Research Report
欠陥への電子捕獲により動作するグラフェンメモリの原理解明と性能向上に関する研究
Project/Area Number |
25871039
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
市川 和典 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90509936)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グラフェン / フラッシュメモリ / 熱CVD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はこれまで実用化されているフラッシュメモリの動作原理とは異なり、グラフェン中の欠陥へ電子を捕獲することにより動作するグラフェンメモリの研究を行ってきた。研究期間全体を通して以下のことが明らかとなり、最終年度は⑥⑦⑧の成果が得られた。
①Ni触媒が厚くなるにつれてグラフェンの層数が薄くなる。②冷却時間は真空中でできるだけ早く下げることで欠陥が低下する。③アセチレンと窒素の量を1:1の流量比により均一性が向上する。④昇温時の水素濃度を多くすると厚く、少なくすると薄い層ができ、水素の濃度で層数を制御することができる。⑤Niに固溶した炭素は冷却によってすべて析出せず一部Ni内に留る。⑥冷却時の水素によりグラフェンに欠陥を導入することができる。それにより同一チャンバー内でグラフェンの合成と欠陥導入が可能となり、このグラフェンを熱酸化膜が形成されたSi基板へ転写することで、欠陥層が浮遊ゲートになりメモリとして動作した⑦電子は欠陥に捕獲されやすく正孔側に比べ欠陥の影響を受けやすい⑧チャンバー内の残留酸素により転写しなくてもデバイス化が可能である。
当初の目的であった欠陥へ電子を捕獲することで動作するグラフェンフラッシュメモリの動作と原理解明に成功した。
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