2014 Fiscal Year Research-status Report
形状記憶合金人工筋肉アクチュエータを用いた小児用前腕動力義手の研究開発
Project/Area Number |
25871041
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
谷口 浩成 津山工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00508955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 前腕動力義手 / 小児 / 形状記憶合金アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,前年度に引き続き,(1)SMAアクチュエータと(2)小児用前腕動力義手の開発を進めた.以下にその成果を列挙する. (1)前年度試作したフッ素系不活性液体を冷媒に用いた冷却機構を有するSMAアクチュエータをさらに発展させるために,使用するコイル状SMAワイヤの本数やアクチュエータの構造を見直し,新たな試作機を開発した.駆動試験の結果,発生力や応答性が従来のものより改善した.しかしながら,小児用前腕動力義手の指の開閉に求められる駆動速度を達成することができなかった.そこで,冷却方式をアルミ製の放熱板を用いることにし,放熱板型SMAアクチュエータを試作した.駆動試験の結果,フッ素系不活性液体を用いた冷却方法より応答性は約7分の1となり,その有効性を確認した. (2)前年度に試作した小児用前腕動力義手の掌および手指の構造を,小児に必要な動作を再調査することで見直した.その結果,2種類の把持動作(握り動作と摘み動作)を可能とするため,手指のMP関節とPIP関節が可動できる構造とした.また,親指は柔軟に折れ曲がり固定できるフレキシブルロッドを用いて掌と接続できる構造とした.SMAアクチュエータによって駆動制御する指は,親指を除く4指とし,SMAアクチュエータは掌の内部に格納できることとした.把持試験の結果,縦と横の幅40mm,高さ85mmの物体を把持できることを確認した.しかしながら,摘み動作を実現することはできなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,平成26年度の目標は,小児用前腕動力義手の試作と評価であった.小児用前腕動力義手の試作では,義手部のみの試作と評価しかできておらず,前腕部の検討が不十分となった.また,SMAアクチュエータの性能改善に時間を費やすこととなり,駆動制御回路の製作も不完全となった.これらのことから,やや遅れていると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,SMAアクチュエータの改善を進めると共に,前腕部を含めた小児用前腕動力義手を試作し,簡易上肢機能検査により義手の機能を評価することで,その有効性を検証する. 義手はSMAアクチュエータを手の内部に格納し,制御回路および電源を前腕内部に格納する.手首の構造は,当初SMAアクチュエータを用いて能動的な駆動制御を考えていたが,小児が義手を扱う上で,できる限り操作をわかりやすく簡便にすることが望ましいと考えた.従って,手首は力や負荷が加わることで可動できるような構造とし,シリコーンゴムを使うことで触れても危害を加えないような構造とする.
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Research Products
(4 results)