2015 Fiscal Year Annual Research Report
オーラル・ヒストリーによる別子銅山山間部社宅街の生活史・労働史調査
Project/Area Number |
25871045
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
竹原 信也 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (10511545)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 鉱山社宅 / 鉱山労働者 / 生活史 / 生活改善運動 / 実習報文 / 生協 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、明治期以降に進められた鉱山の近代化によってつくりだされた別子銅山の山間の社宅街の生活について、オーラル・ヒストリーの手法を用いて、居住経験者の語りを記録するとともに、その分析を通じて山間部社宅街の特性を明らかにしようとするものである。 具体的には、居住経験者15名に聞き取り調査を行い逐語記録を作成した。また現地調査も行った。聞き取りにより鉱山労働者(地質係、警備係)の労働と生活の実態を明らかにすることが出来た。また生協や自治会の運営の様相や、女性の生活史、集会所や公共浴場、幼稚園の様子についても聞き取りを行った。さらに個人保有の写真資料を閲覧・複写し、昭和時代の社宅に関するデータを入手することが出来た。 インタビュー調査と並行して鉱山集落に関する歴史学・地理学・社会学の諸研究の文献資料も調査を行った。特に、九州大学・京都大学・北海道大学・東京大学が保有する別子銅山に関する鉱山実習報文を閲覧・複写し、明治・大正・昭和期における鉱山労働の実態と社宅での生活に関する貴重な資料を収集することが出来た。また別子銅山・鷲尾勘解治の主導よって組織された改善会が1927~1939まで発行した雑誌「改善」の1~14巻(別子銅山記念図書館)の閲覧複写を行った。これにより、大正末期から昭和初期にかけての社宅街での人々の生活の様子について、貴重な文献資料を入手することができた。研究の成果を論文(奈良高等専門学校紀要)にし、学会報告(法社会学会、オーラルヒストリー学会)をした。
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