2013 Fiscal Year Research-status Report
大脳皮質の複数の運動関連領野による脊髄運動性神経回路の制御機構の解明
Project/Area Number |
25871057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梅田 達也 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90376723)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 運動ニューロン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
狂犬病糖たんぱく質(RVG)欠損組換え狂犬病ウイルスが、運動ニューロンより運動前ニューロンだけに継シナプス感染するために、RVGを別途運動ニューロンに発現させる必要がある。そこで、はじめに、運動ニューロンへの感染効率の高いウイルスのサブタイプを検討した。EGFPを発現するAAV1、2、5、6、DJを生後8,21日齢のラットの三頭筋に注入し、1か月後に脊髄を観察した。いくつかのサブタイプでEGFPを発現した運動ニューロンが検出された。EGFPを発現した運動ニューロンの数を数えた結果、AAV1が最も発現細胞数が多かった。また、EGFPを発現するレンチウイルスFuG-B2、FuG-Cを同様に、生後8,21日齢のラットの三頭筋に注入し、1か月後に脊髄を観察した。その結果、FuG-B2を感染させたラットから、多くのEGFP陽性の運動ニューロンが検出された。一方、どのウイルスも運動ニューロンだけでなく、一次感覚ニューロンにもEGFP発現が見られた。最近になり、一次感覚ニューロンから順行性に継シナプス感染がおこるという報告があり、運動ニューロン特異的に遺伝子発現を行う必要が出てきた。そこで、運動ニューロン特異的な遺伝子発現調節因子を組み込んだAAV1とFuGB2を作製した。現在、ラットの筋肉に新たに作製したウイルスを導入し、運動ニューロン特異的に遺伝子発現が行われているか検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、組換え狂犬病ウイルスによる運動前ニューロンをラベルする予定であった。しかしながら、逆行性にのみ広がると知られていた狂犬病ウイルスが、一次感覚ニューロンからは順行性に継シナプス感染が広がるという報告が、今年2月に発表された。そこで、運動ニューロン特異的に外来遺伝子を発現させる必要性がでてきたため、実験計画を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
狂犬病ウイルスは一次感覚ニューロンから順行性に継シナプス感染がおこる。そこで、運動ニューロン特異的にRVGを発現させる必要がある。運動ニューロン特異的な遺伝子発現調節因子を用いた発現ベクターの作製し、運動ニューロン特異的に外来遺伝子発現を計画している。 一方、大脳皮質からの入力については、当初ヘルペスウイルスによる継シナプス感染法を用いてラベルする予定であったが、シナプス前タンパク質synaptophysinを用いても投射先ニューロンを同定することが可能であることが報告されている。そこで、この手法を用いて、大脳皮質から運動前ニューロンの接続を解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品等が予定より安く購入することができたたため、若干の余りがでてしまった。 引き続き同様の実験を行うため、消耗品等に充当する。
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