2014 Fiscal Year Research-status Report
液状検体を用いた唾液腺癌の診断および予後因子の検討
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25871069
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
佐藤 由紀子 公益財団法人がん研究会, その他部局等, 研究員 (30365712)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 融合遺伝子 / 唾液腺 / 細胞診 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、唾液腺腫瘍において細胞診の診断精度をあげて治療選択および予後予測に役立てることにある。昨年度に引き続き唾液腺腫瘍組織(10%ホルマリン固定/パラフィン包埋組織)を用い、融合遺伝子のスクリーニングを行った。組織マイクロアレイ(Tissue Miroarray, TMA)は、合計184例とほぼ予定の症例数に達した。既知の融合遺伝子についてFISH法にてスクリーニングを実施している。昨年までの融合遺伝子と併せて唾液腺腫瘍で知られるCTNNB1-PLAG1, LIFR-PLAG1, TCEA1-PLAG1, NFIB-HMGA2, FHIT-HMGA2, WIF1-HMGA2, CRTC1-MAML2, CRTC2-MAML2, CRTC3-MAML2, EWSR1-POU5F1, NTRK3-ETV6と唾液腺腫瘍以外で知られているROS1, KIF5B, EML4-ALK, BRD4-NUT, BRD3-NUTなどを加え検討した。これまでの報告と同様に組織型に特異的な融合遺伝子の転座が確認されたが、一部は診断を変更すべき症例が存在した。様々な組織型に存在する亜型(淡明化、粘液化生、オンコサイト化など)を有する群につき解析を加えたところ、特に淡明細胞の混在する腫瘍については、腫瘍の本質を捉えるうえで融合遺伝子の解析が重要な意味を持つ可能性がでてきた。細胞診検体でのFISHの検討については、手術検体から捺印細胞を採取し、適した採取条件やプロトコールを検討し終えた。現在、各組織型の捺印検体を準備し、組織での陽性細胞の割合や分布との比較検討を行っている。また、細胞診検体で融合遺伝子の検出が診断上有用であった例の症例報告を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TMAの作成は申請者の所属する病理部のプロジェクトより、技術の継承を受け行っている。新な細胞診検体でのFISH解析も、相当数のFISHを行っている担当者と共に検体の条件を検討し、検出系を確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年と今年度に確率することが出来た手法を用いて、さらに解析を進めると共に、得られた結果の分析を行う。捺印細胞診断検体でのFISHは更に症例数を増やして、今後臨床応用に向けて、条件を整える必要がある。また、捺印のみならず、液状処理検体への応用を進める予定である。一般的な検査としての液状処理検体の利用については、婦人科に比べ、頭頚部領域では遅れており施設間での差が大きい。今後有用性を示す準備が必要と考えられる。
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Research Products
(4 results)