2014 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌における新しいチロシンキナーゼ融合遺伝子の同定
Project/Area Number |
25871072
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
坂田 征士 公益財団法人がん研究会, 分子標的病理プロジェクト, 研究員 (00617433)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | チロシンキナーゼ / 融合遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌は罹患数および死亡数の多い悪性腫瘍の一つであるが、大腸癌の癌化に必須な遺伝子をターゲットとした治療法は確立されていない。近年、anaplastic lymphoma kinase(ALK)融合遺伝子を有する肺癌が発見され、その融合遺伝子を有する肺癌に対しALK阻害剤が臨床応用されるまでに至っている。大腸癌を含む肺癌以外の固形癌においても、チロシンキナーゼ融合遺伝子が報告されており、本研究で大腸癌の新しい分子標的薬の導入に向けて、治療ターゲットとなる融合遺伝子を探索した。 融合遺伝子を探索するために、がん研有明病院で手術され、病理組織学的診断が行われた大腸癌ホルマリン固定パラフィン包埋ブロックから作成したtissue micro array(TMA)を使用し、自作したキナーゼ遺伝子(数十種)に特異的なfluorescence in situ hybridization(FISH)プローブを用いて、融合遺伝子のスクリーニングを行った。FISH陽性であった大腸癌症例に対し、RACE法やRNA capture sequenceにより数種の融合遺伝子を同定した。同定した融合遺伝子には造腫瘍能や阻害剤による抑制効果が認められ、今後これらの融合遺伝子を有する大腸癌において、阻害薬の臨床応用に結び付くものとして有用な結果であった。 融合遺伝子を有する大腸癌の臨床病理学検討や大腸癌によくみられる遺伝子変異、microsatellite instabilityについても解析した。 現在、最終年度に同定した融合遺伝子に対して、造腫瘍能や阻害剤による抑制効果を検証中である。
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Research Products
(4 results)