2013 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーに必須なユビキチン様結合反応系制御機構の構造生物学的解析
Project/Area Number |
25871076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
的場 一晃 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 博士研究員 (60613792)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オートファジー / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
オートファジーは広く真核生物に保存された細胞内分解機構の一つである。オートファゴソームと呼ばれる脂質二重膜で分解対象を取り囲み、リソソーム/液胞と融合することで分解する。本研究計画ではオートファゴソーム形成に関与するE1様酵素Atg7の基質認識機構やE3様酵素Atg12-Atg5の反応機構を調べ、オートファゴソーム形成にこれらの分子群がどのように関わっているか明らかにする。 初年度は以下の項目を実施した。 (1) Atg7-Atg12複合体の結晶化。これまでにAtg7-Atg8複合体構造は報告されているが、Atg7のもう一つの基質であるAtg12との複合体構造は不明である。どのようにAtg7がE2様酵素(Atg10、Atg3)に基質(Atg12、Atg8)を正しく受け渡すのか、明らかにするためAtg7-Atg12複合体での結晶化を行った。しかし、これまで結晶構造解析に適した結晶は得られていない。(2) Atg12-Atg3複合体結晶構造解析。Pull-down assayによりAtg12と結合するAtg3の最小結合領域を同定した。この領域との結晶化を行いAtg12-Atg3複合体結晶を作製し、放射光施設において3.2Å分解能で回折データの測定を行った。得られた結晶構造からAtg12の疎水的なポケットにAtg3のメチオニン側鎖が入り込み相互作用することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた複合体の結晶のうち、Atg7-Atg12複合体は結晶化条件検討の段階であり構造解析は遅れている。一方でAtg12-Atg3複合体の結晶構造は明らかになり、構造を基にした機能解析を行う段階にある。今後、等温滴定カロリメトリーなどを用いて、これらのタンパク質群の普遍的に保存された相互作用を明らかにする。
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Strategy for Future Research Activity |
Atg7-Atg12の複合体結晶では引き続き、結晶化を行う。これまで結晶化に向けて、Atg7-Atg12融合タンパク質を作製し結晶化を試みて来た。今後、リンカー配列の長さや複合体が安定な条件の探索を行う。E3およびE2様酵素であるAtg12-Atg3複合体が明らかになったことでAtg8脂質化反応機構の一端が明らかになりつつある。一方、ヒトや植物では保存されているAtg12結合配列が酵母では保存されていないことから、今後普遍的な相互作用を見いだす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
発注していた試薬の納期が遅れたため 既に試薬を購入済みである。
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