2013 Fiscal Year Research-status Report
基礎材料の振動特性を考慮した農業用パイプラインの設計手法の開発
Project/Area Number |
25871103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
有吉 充 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・施設工学研究領域, 研究員 (10414442)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 土質試験 / 固化処理土の配合試験 / 振動模型実験 / 埋設管 |
Research Abstract |
本研究では、地震時に被害が集中して発生する曲管や片落管などのスラスト力が作用している箇所における、農業用パイプの地震時挙動を明らかにすることを目的としている。パイプの地震時の挙動は、パイプ周辺の地盤特性(地盤材料の種類、剛性など)に大きく影響を受けるため、地盤条件を変更した振動模型実験を複数実施して、地盤材料ごとのパイプの地震時の挙動を定量的に評価して、パイプの耐震設計及び対策に展開する。 本年度は、次年度実施する振動模型実験に用いる地盤材料の土質試験や固化処理土の配合試験などを行った。砂及び固化処理土の母材の粒度試験、土粒子密度試験、砂の最小・最大密度試験、締固め試験、三軸試験などの各種土質試験を行い、地盤材料の特性を把握した。また、固化処理土については、母材の固化特性を把握するために、3日強度で100kPaを目標に、配合試験を実施した。その結果、振動実験に用いる固化処理土の配合には、母材の含水比6.8%、締固め度90%で、固化材を乾燥重量の5%の配合とすることに決定した。 また、次年度の実験を4月から予定しているため、振動実験においてパイプのスラスト力を再現する装置の考案、模型断面やセンサーの配置の決定、図面の作成など、すぐに実験に着手できるように実験準備を行った。振動実験において、スラスト力の再現は、地震時のスラスト抵抗力の低下量をできるだけ正確に計測するために地盤に埋設した土圧計などのセンサーを設置したプレートにロッドを通して引張り荷重を加えることで行うこととした。この状態で周波数や加速度を変更した地震動を与えて、地震時の挙動を計測することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地盤材料の特性把握や固化処理土の配合試験と次年度実施する振動模型実験の準備を行った。予定通り順調に計画を遂行し、次年度4月から振動模型実験に着手できる状態となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、振動模型実験を実施して、実験結果等から、地盤特性を考慮した地震時のパイプ挙動を評価する手法を構築する。 振動実験では、スラスト力の再現方法を一部変更した。当初計画では、実際のパイプ模型を用いて内圧を負荷することでスラスト力を与える予定であったが、本研究では、地震時の地盤剛性などをできるだけ正確に計測することが重要であるため、形状や摩擦の影響を受けにくいようにパイプではなくプレートにスラスト力を与えることとした。また、スラスト力の与え方は、正確に設定値を負荷できるように、ロッドを通して錘を負荷することで静的に引抜け荷重を与える方法とした。 また、当初平成25年度に予定していた内圧負荷模型実験は、効率的に研究を遂行するために、振動模型実験とあわせて実施することとした。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初今年度予定した内圧負荷模型実験を、次年実施する振動模型実験とあわせて実施することとしたため、次年度使用額が生じた。内圧負荷模型実験は、地盤の静的なスラスト抵抗力を計測するものであるが、振動模型実験と同じ土槽や地盤材料を用いるため、振動実験と合わせて実施することで、作業効率が上がるだけでなく、実験模型の再現性があがるため、静的と動的なデータの比較をより正確に行えるようになる。 繰越した予算は、本年度実施する振動模型実験と合わせて行う内圧負荷実験により使用する。
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