2014 Fiscal Year Annual Research Report
基礎材料の振動特性を考慮した農業用パイプラインの設計手法の開発
Project/Area Number |
25871103
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
有吉 充 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・施設工学研究領域, 主任研究員 (10414442)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 埋設管 / スラスト力 / 曲管 / 地震 / 埋戻し材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
農業用パイプは大きな地震を受けると、曲管周辺で継手の離脱の被害が発生することが多い。この原因として、曲管にはスラスト力が作用し、通常時は、曲管背面の土圧により抵抗できるが、地震時にはその抵抗力が減少することなどが挙げられる。そこで、地震時の地盤のスラスト抵抗力を明らかにすることを目的に、模型実験を実施した。 鋼製の土槽(長さ2m、高さ0.8m、奥行0.4m)に、曲管を模擬したプレート(高さ0.1m×幅0.4m)を地盤内に埋設し、プレートにスラスト力を想定した一定荷重を与えた状態で、地震動を与える振動実験を実施した。なお、地盤は4種類(密詰め珪砂、緩詰め珪砂、砕石、固化処理土)を用いた。 実験の結果、以下のこと等が分かった。①砂の地震時のスラスト抵抗力は密度により大きく異なる。静的な砂のスラスト抵抗力の80%のスラスト力をプレートに作用させた場合、800gal加振時に、密詰めの砂のプレートの変位量は、緩詰めの場合の16%であった。また、静的なスラスト抵抗力の1/2のスラスト力でも、プレートは変位した。②加振中はプレートが変位し続け、最終的な移動量は加振時間が長いほど大きい。振動により砂が変位している間は、スラスト抵抗力が低下するためと考えられる。地震が長いほど、パイプの変位量が大きくなると思われる。③砕石の静的なスラスト抵抗力は砂と同程度であった。地震時には、砂と同様に、静的なスラスト抵抗力以下のスラスト力で、プレートは変位した。静的なスラスト抵抗力の80%のスラスト力で、800gal加振時に24mm変位した。④固化処理土は、スラスト抵抗力が極めて高かった。砂のスラスト抵抗力の2.5倍のスラスト力を作用させた場合でも、静的な状態で変位が生じず、加振時においても、プレートは変位しなかった。粘性があるため、振動に強く、地震時にもスラスト抵抗力は大幅に低下しないことが分かった。
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