2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25871104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
黒田 洋輔 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター畑作研究領域, 主任研究員 (40595071)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 春化 / テンサイ / 二年生 |
Research Abstract |
栄養成長から生殖成長への成長相転換をさす「花成」のタイミングは,植物の適応性や作物の生産性を大きく左右する.二年生植物における花成の誘導にはある一定期間の冬(低温)が必要であるが,花成に必要な冬の長さはどのように決定されているのか明らかでない.本研究は,二年生テンサイを用いて,その低温要求性の分子機構を解明することを目的としている. 初年度は,イントロン配列あるいはプロモーター領域に低温要求性の変異が存在する可能性を考慮し,DNA多型解析による分子マーカーの探索を試みた.ここでは,少数で効果の高い低温要求性の遺伝子の存在が推定される低温要求性の低い原系統(NK323)と,低温要求性の高い選抜系統(NK323BR2)のペア系統に着目した.人為春化処理法により,抽苔が誘導された低温要求性の低い個体(NK323),抽苔が誘導されなかった低温要求性の高い個体(NK323BR2)より総DNAを抽出し,各表現型で10個体のバルクを作製した.各バルクについてAFLP解析を行ってバンドパターンを比較した.1024種類のプライマーペアによるAFLP解析の結果,低温要求性の低い系統(NK323)あるいは低温要求性の高い系統(NK323BR2)に固有な多型バンドが,10種類のプライマーペアにより検出されることが明らかになった.現在,これらのバンドをクローニングし,2012年に公開されたテンサイゲノム情報を活用して,テンサイの低温要求性に関与する候補遺伝子領域の特定を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
発現量の差に基づく分子マーカーの探索に着手できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
低温要求性に関与する候補遺伝子領域を明らかにするために,引き続きDNA多型に基づく分子マーカーの探索・解析を行う.さらに発現量の差に基づく分子マーカーの探索に着手する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算に余剰が生じたのは,当初計画していた実験「発現量の差に基づく分子マーカーの探索」が着手できなかったため. 次年度は,申請時の計画通りに研究費を使用する.次年度使用額193667円は,当該年度に着手できなかった実験を進めるために必要であり,次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する.
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Research Products
(2 results)